トランプ氏の的を射たNATO批判 世界に平和をもたらすトランプ氏の再選【HSU河田成治氏寄稿】(Part 1)
2024.02.18
《本記事のポイント》
- ただ乗りを促すNATOの多国間同盟
- NATOの強化は大戦争の原因に
- ジョージ・ケナンの慧眼
河田 成治
(かわだ・せいじ)1967年、岐阜県生まれ。防衛大学校を卒業後、航空自衛隊にパイロットとして従事。現在は、ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ(HSU)の未来創造学部で、安全保障や国際政治学を教えている。
トランプ前大統領は2月10日、サウスカロライナ州の支持者集会で軍事費負担が基準(対GDP比2%)に満たない北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対して、「侵略国が『好き勝手にする』のを『促す』」と発言しました。
具体的には、「私が登場するまでNATOは破綻していた」と述べ、(以前、NATO加盟国を前にトランプ大統領が発言した際)「『みんなが払わなければならない』と私が言うと、彼らは『我々が払わなくても、あなたは我々を守ってくれるか』と尋ねた。私が『絶対にない』と言うと、彼らはその答えを信じられなかった」と語りました。
さらに、「『ある大国の大統領の1人』から、もし自分たちが払わなくても、ロシアの侵攻を受ければアメリカはその国を守ってくれるかどうか尋ねられたと述べ、トランプ氏は『いや。私はあなたを守らない』と答えた」と回想。「実際のところ、私は彼らが何でもやりたいことをやるよう促す。あなたは支払わなければならない」と伝えたと振り返りました(*1)。
(*1)CNN(2024.2.12)
トランプ氏の発言は本当に危険なのか
この発言に対して、NATOのストルテンベルグ事務総長は、「我々すべての安全保障を弱体化させる」と反論し、またバイデン政権の報道官は、直ちに「とんでもない、むちゃくちゃ」な発言だと強く批判しました(*2)。他のマスコミも概ねトランプ氏の発言を危険だとして批判する点で一致しています。
2月14日付けの米CNNでも、「アメリカのNATO離脱、トランプ氏の本気度はかなりのもの」と題してオピニオンを掲載し、トランプ氏を酷評しています(*3)。
大統領選が今秋に迫る中、アンチ・トランプ陣営は、トランプ氏に対する攻撃を強めていますが、私は現在の状況におけるNATOの強化はむしろ世界を不安定化させる材料であり、トランプ前大統領のNATOに対する発言は意味があると考えています。
(*2)CNN(2024.2.12)、BBC(2024.2.13)
(*3)CNN(2024.2.14)
ただ乗りを促すNATOの多国間同盟
前述のトランプ氏の発言は、「NATO加盟国の一国が他国から攻撃を受けたとしても、相応の負担をしていないならば、アメリカは集団的自衛権を発動して防衛しない」という意味です。
これはNATOなどの多国間同盟の本質的な問題点を指摘するものでもあります。
HSU未来創造学部では、仏法真理と神の正義を柱としつつ、今回の世界情勢などの生きた専門知識を授業で学び、「国際政治のあるべき姿」への視点を養っています。詳しくはこちらをご覧ください(未来創造学部ホームページ)。
「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
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