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ウクライナのゼレンスキー大統領が1日、前日に署名したアメリカとの鉱物資源協定について、「ウクライナに極めて大きな投資を行う機会を生み出す真に対等な合意になった」と述べました。

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両国が合意した協定では、ウクライナに「復興投資基金」を設立する代わりに、アメリカはウクライナの資源を採掘する権利を得られます。ゼレンスキー氏は、「ウクライナへの大規模な投資の機会を生むだけでなく、大きな産業の近代化をもたらす」と述べました。

ゼレンスキー氏が強く要求してきた「アメリカの安全保障を得られなかった」ものの、歓迎の意を表明したことを受け、日本の主要メディアは、決裂寸前だった協定を再交渉した同氏の「粘り勝ち」といった見方を示しています(2日付日本経済新聞電子版)。一方、トランプ米大統領が、見返りが期待できないバイデン前大統領の方針を撤回し、実利を得たという「今回の外交成果」には触れようとしません。

気になるのが、米メディア「ポリティコ」によると、アメリカとウクライナは「3つの文書」にサインしたようですが、これが事実であれば、公開されたものは"主要な協定"に当たり、2つの付属文書が未公開となっています。この付属文書が協定の中身を具体的に取り決めた「肝」とみられ、ウクライナの議員は自国政府に説明を求めています。現地メディアは、交渉の経緯や内容がすべて明らかにされないまま、議会で諮られる可能性があると報道しています。

さらにウクライナは、署名の直前に「突然の変更」を要求し、以前合意していた争点を蒸し返して「米政府と衝突した」という、ウクライナの不誠実な態度が続いていることについて、日本メディアは今のところ報道していないようです。

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