政府が主導して資金を集め、リニア新幹線や高速道路などのインフラ投資に投入する「官民ファンド」の創設を、一部経済紙が8月、報じた。民主党代表選などの「政変」で、実現するかどうかは定かではないが、財政赤字が拡大する中、単純な財政支出ではない方法で資金調達する枠組みは欠かせないものとなるだろう。

官民ファンドの仕組みは、まず国が呼び水となる資金を出し、メガバンクや企業、投資家が出資しやすくするもの。インフラ投資の対象として、リニア新幹線などのほか関西国際空港や東京外環道などを想定しているという。

政府の財政赤字は今年6月末に900兆円を突破して過去最高を更新。

2010年度末には973兆円に達する見通しだ。11年度中には1000兆円の大台も視野に入る。

そのため、官民ファンドの発想が民主党政権内でも注目されているわけだが、本誌は、これまでインフラ投資や新たな基幹産業づくりにこうした官民ファンドの枠組みを活用すべきだと提案してきた。