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イギリスでは、100万ポンド(約2.1億円)以上の金融資産を持つ億万長者の数が増え続けてきた中、2024年以降は一転して「7%も減少」していると、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じました(14日付電子版)。

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WSJが引用したイギリスのアダム・スミス研究所によると、100万ポンド以上の金融資産を持つ同国の居住者は、2024年と比べて「3万5000人も減少」し、2008年のリーマン・ショック以来、過去最低を記録しました。2年間で7%もの億万長者が消えた原因は、「厳しい税制」と「経済の低迷」にあるといいます。

イギリスでは、12万5140ポンド(約2700万円)を超える所得には「最高税率45%」が課され、株式売却などによる所得(キャピタルゲイン)には「24%」課されます。そして32万5000ポンド(約7000万円)以上の遺産には相続税が「40%」課されるなど、決して税金が安い国ではないと、WSJは指摘。

そこに拍車をかける恐れがあるのは、富裕層の資産に課税する「富裕税の導入」だといいます。新首相アンディ・バーナム氏は富裕税の導入を否定しておらず、イギリスで今月発表された世論調査では、回答者の66%が導入を支持していることが分かりました。

増税という脅威を受けて、数々の富裕層がイタリアやスイス、ポルトガルなどに「脱出」し続けています。5月15日付英紙サンデー・タイムズによると、最も富裕な個人とその家族350人(総資産160兆円以上)のうち、111人はすでにイギリスに居住していないといいます。同国の富豪ランキングで8回もトップを飾った、世界有数の鉄鋼メーカー「アルセロール・ミッタル」の会長のラクシュミ・ミッタル氏も、高い相続税を嫌って海外に居を移すことが報道され、社会に衝撃が走りました。

富裕層の国外流出は、雇用や資本、人脈、アイデアといった「富の源泉」も消えることを意味し、経済成長を大きく阻害する要因となります。当然のことながら、富裕層が一人消えるたびに、社会保障や国防を負担する人もいなくなります。

「人々がお金持ちを歓迎しないなら、そこから立ち去るのみである」という、さまざまな経世家が警告した通りのことが起きています。かつてイギリスが欧州連合(EU)から離脱した際、イギリス(Britain)と離脱(Exit)を合わせた「ブレグジット」が騒がれましたが、今回の「増税ブレグジット」は社会により深刻な問題をもたらすでしょう。

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