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韓国の革新系最大野党「共に民主党」元代表の李在明(イ・ジェミョン)氏が4日、第21代大統領に就任しました。

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大統領選挙は、昨年12月に非常戒厳を宣言した尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の罷免に伴って、今月3日に行われました。李氏は得票率49%で、前与党「国民の力」の金文洙(キム・ムンス氏、41%)を破りました。最終投票率は79%に上り、1997年の大統領選挙以降に行われた選挙の中で最も高かったといいます。

李氏は、理念よりも現実を重視し、国益を最優先させる"実用主義"を打ち出し、選挙戦に臨みました。

例えば、過去の反日姿勢から一転し、日本を「重要な協力パートナー」と位置づけ、日米韓の連携も堅固にすると宣言。日韓関係を改善させた尹前政権を踏襲する方針を示しました。「(反日的言動は)活動家や責任のない時ならできるが、韓国全体に責任を負う状況では賢く対応しなければならない」と、路線変更を正当化しています。

北朝鮮に関しては、「戦う必要のない平和が最も確実な安全保障だ」と主張するなど、従来通り南北融和を目指した上で、「力による平和」を掲げて北朝鮮と対峙してきた前政権の路線を一転させる方針を示しました。一方、革新政党の共に民主党にしては、異例の「北朝鮮住民の人権問題」に取り組む姿勢も見せています。

ただ李氏の言動をめぐっては、周囲の状況や時勢によって変わるため、「世論に迎合的で信用できない」とかねてより懸念の声が上がっています。李氏の"右往左往"ぶりも有名で、過去の遊説中に「尊敬する朴槿恵(パク・クネ)大統領」という表現を使った際、支持者から強い批判を受け、数日後に「私が本当に(朴氏を)尊敬していると思ったのか」と言ってごまかしたこともあります。

今回の日本や北朝鮮に対する方針も、「選挙用に示したもの」という見方が強いです。というのも、過去の言動を見れば、李氏の信条は「反日・親中」で一貫しているからです。

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