《ニュース》
アルゼンチンのミレイ大統領が、政府の支出増大によるインフレに対処するため、「財政赤字が続く場合、政治家への給与支払いを停止する」などの一連の法案を発表し、画期的だとして注目を集めています。
《詳細》
ミレイ氏は政府の支出を制約する「小さな政府」を恒久的に維持していくために、新たな法案パッケージを議会に提出すると発表しました。
その法案の内容について、7月30日に国民向けに行った演説では、中央銀行による政府への資金供給を禁止すると共に、財政赤字が続く場合には政治家への給与の支払いを停止するとしました。
演説ではまず、主な取り組みとして、中央銀行法を改正し、「通貨価値の維持」を中央銀行の唯一の目的とすることを定めると述べました。
アルゼンチンではこれまで、中央銀行による国庫への直接的な資金貸付や、国債の引き受けが合法化されていました。過去の政権では、財源の不足を補うために中央銀行が無制限に資金を提供。その結果、経済が衰退する一方で、過去91年間の累積インフレ率は1281京%に及び、2001年から現在までをとっても16万8000%を超えるといいます。
ミレイ氏はこれを「議会の承認を得ることなく税収を増加させるインフレ税」であり、「政治エリートに資金を供給するために通貨を偽造する『詐欺行為』」と指摘。中央銀行による国債の直接引き受け(財政ファイナンス)を全面的に禁止するとしました(日本銀行が行っているような流通市場での国債買入れも含め、全面的に禁止するかは明らかになっていないが、こうした手法も「実質的に政府の資金調達を支えている」として禁止される可能性がある)。
さらに、「財政の足枷」と銘打ち、赤字予算を可決することなどができないようにする恒久的なルールを導入するとしています。
具体的には、財政収支が数カ月連続で赤字になった場合、議会に収支を均衡へ戻すための数週間の猶予が与えられ、それでも是正されなければ、政府機関を一部閉鎖。安全保障など必要不可欠なものを除いて国家の活動を停止し、新たな支出を凍結します。この間、大統領、副大統領、上院議員、下院議員、大臣、長官、次官には給与が一ペソたりとも支払われないといいます。
ミレイ氏は、「政治家には、アルゼンチン国民の懐を守る動機がありません。なぜなら、失政のつけを払うのは、決して彼ら自身ではないからです。だからこそ、この法案は、過ちを犯した者が、最終的にその代償を払う仕組みを導入します」と述べました。
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