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《本記事のポイント》

  • 障害児がこの世に生まれる意味
  • 誰もが、誰かの光になる
  • 神がいるからこそ、懺悔は成立する

打海文三の小説「時には懺悔を」を原作に、家族から目を背けた男、娘に捨てられた女、子を生きる糧にした男、産んだ子を愛せない女など、それぞれ過去に傷を抱えた大人たちが、今を懸命に生きるひとつの小さな命との出会いを通して再生していく姿を描く。

探偵の佐竹と助手の聡子は、同業者の探偵米本が殺された事件の真相を探るうち、9年前の誘拐事件で連れ去られた、新(しん)という子供の存在にたどり着く。重い障害がありながらも数奇な運命を生きのびてきた新。今を必死に生きるひとつの小さな命によって、傷ついた大人たちが、再び生きる力を取り戻していく。

西島秀俊が、家族との不和を抱えながら生きる男・佐竹を熱演。満島ひかりをはじめ、黒木華、宮藤官九郎、柴咲コウ、塚本晋也、片岡鶴太郎、佐藤二朗、役所広司ら実力派キャストが集結した。

障害児がこの世に生まれる意味

この映画は、殺人事件を追いかける探偵を描いたサスペンス仕立てではあるが、描こうとしているのは、障害を持って生まれてきた小さな命の、懸命に生きる姿によって、挫折し、沈没しかけていた人々が、立ち直りのきっかけをつかむという、神秘的な癒しのドラマである。

脚本も手掛けた中島哲也監督は「『この子は生まれてこないほうが幸せでした』。これは劇中のセリフですが、そう言われた子供がそれでも生まれ、多くの人々の心を動かし、その人の人生に影響を与える。望まれなかった命が誕生し誰かの救いになって、この世界に生まれてきた価値があると証明する。そのことと正面から向き合った映画だ」と言う。

霊的な真実から言うと、確かに障害者には、世の中の人々を教育する使命がある。大川隆法・幸福の科学総裁は、このことについて、次のように語っている。

普通の体を持って生まれた他の人たちは、そういう人を見ることによって、『自分がこういう姿でいるということはありがたい』ということが分かるのです。

こういう『教育』の意味を持って、そういう厳しい仕事をなしておられる方が一部いらっしゃるということです。これが意味です」(『エル・カンターレ 人生の疑問・悩みに答える 病気・健康問題へのヒント』より)。

また、障害という不自由な経験をしたことが、地上去った後の来世において「霊的な知識」となり「これがその後、他の人たち、あるいは恵まれない人たちに対する『優しさ』になって表れてくる」のだと言う。

苦労されたことが、『魂の武器』として『優しさ』となって表れてきます。そういう素晴らしい『宝』が、これから先の将来に待っているのです」(『エル・カンターレ 人生の疑問・悩みに答える 幸せな家庭をつくるために』より)

映画では、新役のしんすけを始めとして、何人もの重度の障害児が登場し、生き生きと笑顔を振り巻き、自由闊達な演技を繰り広げ、観る人々に、これが映画であることを忘れさせる。

新が小児病棟で受診を受ける場面で、「みんなが新君のことを励ましてますね」と話しかける佐竹に、「逆だろ、みんながこいつに励まされてんだよ」と、新を9年間育てた誘拐犯の明野が答えるが、懸命に生きる小さな生命に宿った神秘的な力を見事に描ききった点で、正真正銘の感動大作と言えるだろう。

誰もが、誰かの光になる

また、この映画では、"人間のクズ"と言われるような悪党であっても、人生のある一瞬に、正気を取り戻すきっかけを掴みさえすれば、誰かにとっての救いになり得ることが描かれている。

その象徴が、何者かに殺された悪徳探偵の米本である。米本は、生きているのが奇跡とも言うべき新と出会い、その命を生かし続けるために、自分は何ができるかを問いかけ、動き始める中で命を落とす。

事件の真相を追う佐竹は、米本の改心の真実を知り、米本の試みを引き継ぎながら、自らも破綻しかけたけた妻や娘との関係に向き合おうとする。一つの愛の行為が、次なる愛を生み、さざ波のように、生きる希望が広がっていく。そこにあるのは、純粋な心で人を愛し、喜びを生み出そうとする心そのものが、幸福の原点であると言うことだ。

己の心を空しゅうして、他人や社会に対して愛を与えていかんと決意するとき、そこに、あなたの幸福の原点があるのです」(『幸福の原点』より)

神がいるからこそ、懺悔は成立する

この映画のタイトル「時には懺悔を」の懺悔とは、誰にも言えない過ちを抱え、心の奥底に秘めた罪と向き合い、再び前を向くためのきっかけとなるものとして捉えられている。

そして、その前提として、神の存在を信じ、神の前に幼子のように自らをさらけ出し、許しを乞うという謙虚な姿勢の必要性が、暗示されてもいる。

実際、宗教的反省とは、「神から永遠の命を与えられた」ということを信じる信仰心そのものに付随するものである。

『信仰の原点』はいったいどこにあるかというと、『みなさんが神仏によって創られた』という創造の秘密にあるのです。

『みなさんが神仏によって創られた』ということを信じるか、そして、『神仏によって創られたみなさんが、永遠の生命のなかで無限の転生輪廻を繰り返しながら魂修行をしている』という説を信じるかということです。まず、これを問われているわけです」(『真説・八正道』より)

中島監督は原作小説の映画化を20年間切望絶し続け、ようやく実現したことについて「世の中の価値観が少しずつ変わり、こういう映画が人々に受け入れられる土壌がようやく整ったことを強く実感します」と語っている。

それは、この20年間の間に、さまざまな天変地異や不況に見舞われつつ、日本社会が徐々にではあるが、純粋な愛の大切さや、神を信じる心の尊さといった、「目に見えないものの価値」に目覚めつつということなのだろう。

重い障害を持ちながら、懸命に生きる力強い命との出会いをきっかけに、人々が立ち直っていく姿を描いたこの映画は、日本社会の根本的価値観の転換の始まりを象徴するものであるとも言えるのではないだろうか。

 

『時には懺悔を』

【公開日】
全国公開中
【スタッフ】
監督:中島哲也
【キャスト】
出演:西島秀俊 満島ひかり 宮藤官九郎ほか
【配給等】
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
【その他】
2026年製作 | 128分 | 日本

公式サイト https://www.tokizan.jp/

【関連書籍】

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