《ニュース》
米マイクロソフト社が、業務向けの人工知能(AI)サービスに新機能を加えると発表しました。利用者が就寝などで離席中も、AIが自動で作業を進めるといいます。こうした中、AIが人間の訓練の機会を奪っているのではないかという危惧がさまざまに挙がっています。
《詳細》
25日付米ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、AIによって反復的な雑用が自動化された一方で、若手の訓練の機会が消えていることを取り上げました。
同氏は、「若いエンジニアがコードを何度も書くことでバグを発見する」「法人税申告書を大量に準備することで会計士が顧客にアドバイスする方法を知る」「弁護士が何度も契約書を書くうちに基礎的な法理論をマスターする」のが、「テニス選手が繰り返しサーブを練習するのと同じ」ような機会であると指摘。「繰り返しから学ぶことは判断業務に移るために必要」であると指摘する、人事業務支援企業の担当役員の声を紹介しています。
反復作業がなくなっていることを受けて、社内でのロールプレイやシミュレーションによる研修の時間を増やして社員教育を行うようにした企業も増えています。なかには、AIを相手にしたシミュレーションを使って社員を訓練する企業も出てきているといいます(同紙)。
社員教育以前に、学校教育の現場におけるAIの使用も問題視されています。米ニューヨーク市では9月から小中学校でのAI全面禁止に踏み切り、ノルウェーも小学校での使用を禁止しました。韓国では2025年にAIデジタル教科書を導入したものの、1カ月で廃止した経緯があります。いずれも学力・思考力の低下を危惧したものです。
一方、日本では文部科学省が、初等教育における生成AIの「利活用」を促すガイドラインを出しており、学習の活用が始まっています。
東京大学教授で教育現場の急速なデジタル化に警鐘を鳴らす酒井邦嘉氏は25日付日経新聞で、「AI使用の全面禁止が必要」と指摘。カリフォルニア大バークレー校の法科大学院でAI使用をほぼ全面禁止した事例を挙げ、「AIによる文章作成は自身の本来の能力を詐称するもの」「AIに頼るほど、全ての能力向上の機会を失う」「教育現場において生成AIの使用を全面的に禁じる以外に方法はない」と訴えています。
《どう見るか》











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