《ニュース》
トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が24日、米ホワイトハウスで首脳会談を行い、安全保障やAI(人工知能)などについて協議しました。トランプ氏は25日のSNSの投稿で、「習主席との会談は米国と中国の双方にとても生産的だった」とし、「これから素晴らしいことが起きるだろう」と発信しました。
《詳細》
首脳会談に先立ち、トランプ氏はワシントンに到着する習近平氏を直接出迎え、米軍のB1やB2戦略爆撃機が歓迎行事で飛行し、21発の礼砲が放たれました。中国国営の新華社通信が「熱情迎接(温かく出迎えた)」と報じたように、中国側は厚遇を受けたことがクローズアップされました。
アメリカ側は敬意を示して会談に臨んだものの、多数のメディアはその成果について、ニュースのヘッドラインを大々的に飾るほどのものではなかったと強調しています。産経新聞は26日付朝刊で、「頻繁な首脳会談に見合う成果は乏しい。米中が合意した貿易戦争の休戦延長期間はわずか2カ月」「首脳外交活性化の『代償』がどこに及ぶか」などとネガティブに論評しています。
しかしトランプ外交の特徴の一つは、「表では融和的に見せて、裏ではプレッシャーをかける」という使い分けにあります。特にメンツを重んじる中国であれば、その方が事は進みやすいのでしょう。
そのためトランプ氏は、習近平氏との良好な関係を誇張気味に演出しています。一方で、実務を担うベッセント財務長官が会談前に「公の場で話すのではなく、舞台裏で静かに協議するのが良い」と述べていたように、中国が武器支援を行うイランとの関係を含めて、相当なやり取りが実際には交わされました(パデュー駐中国米大使は、トランプ氏が習氏に対し、イランを支援することは「容認できない」と伝えたと明かした)。
また、「成果が乏しい」という見方についても、とにかく合意文書をまとめ、11月の中間選挙に向けてアピールすればよいわけではありません。特に中国の場合は、たとえ文書化しても、誠実に履行するような国ではないことは、多くの日本人が知るところでしょう。
会談が行われる前から、米シンクタンク「アメリカ第一政策研究所」のアダム・サビット氏は、今回の会談は5月のトランプ氏訪中のフォローアップと捉えるべきであり、リセットではないと指摘していました。そして会談後には、ベッセント氏が「中国側には完全には履行されていない事項がいくつかある」と述べ、なお細部の詰めを進めていることを明かしています。
また、米中貿易戦争の休戦が2カ月しか延長されなかったことについて、米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)のスコット・ケネディ氏は、アメリカが中国側の提案に依然として満足していないことを示唆しているとの見方を示しています。
つまり、頻繁な首脳会談も貿易戦争の休戦期間が短くとどまったことも、アメリカが約束を守らない中国に対し、継続的に圧力をかけながら、履行を促していると考えれば理解できます。今回の会談もそのための「つなぎ」と見るべきでしょう。
「米国が目先の成果を優先して課題を先送りし、過剰なまでの友好を演出したことで、中国に主導権を奪われた印象は否めない」(26日付読売新聞社説)といった見方は、事実とは大きく異なります。
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