《ニュース》
米政府系メディア「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」はこのほど、今年に入ってから、中国政府による電子取引や学習塾などの業界に対する規制強化、不動産企業の債務問題で、少なくとも1000万人が失業したと報道しました。
《詳細》
中国の不動産業界では、大規模な人員削減が行われています。3000憶ドルの負債を抱えている恒大集団は、土地や住宅などの不動産などを大量に売却し、大規模な人員削減を行っています。
別の不動産大手である新力控股集団は、社員の給料を50%カットし、さらに従業員の半分を削減することを発表しました。9月20日の香港株式市場では、資金繰りの悪化で経営破たんの危機に直面しているとの不安が広まり、同社の株価は前営業日比で約90%急落しました。
また学習塾業界も壊滅的な打撃を受けています。中国政府は7月末、「小中学生の宿題を軽減し、学外の負担を軽減する」という「双減」方針を発表。その中で、小中学校が生徒に課す宿題を細かく規制し、学習塾についても非営利団体として登記させ、新設は認めない形となっています。その結果、各地の学習塾が倒産に追い込まれるなど、数千万人規模の教職員が職を失ったとされています。
加えて、電子取引業界も同じく、中国当局による規制で危機に瀕しており、大手が次々と倒産しています。電子取引大手である環球易購は今年6月に、約862億円の赤字を出して倒産。生鮮食品の電子取引サイト「美菜網」や、「橙心優選」など他の電子取引企業も経営難に直面し、社員のリストラを進めています。
中国の瀋陽市在住の李さんは、RFAの取材に対して、「今年は多くの外資系企業が撤退し、その結果、多くの人が職を失っている」と述べ、「不動産、オンラインの教育分野、電子取引業界などの分野は、中国の社会構造に影響を与えています」と指摘しました。
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