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韓国の地方裁判所が、「元徴用工」による日本企業への賠償請求訴訟を棄却したことが、波紋を呼んでいます。
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「徴用工」として動員されたと主張する韓国人やその遺族ら85人がこのほど、日本企業16社に対して損害賠償訴訟を起こしていました。それに対してソウル中央地裁は7日、原告の訴えを棄却しました。
韓国では2018年、最高裁判所に当たる大法院が同様の裁判で、日本企業への賠償支払いを命じる判決を下し、国際問題に発展しました。日韓の間では1965年、日韓請求権協定が締結されています。そこでは、請求権の問題は「完全かつ最終的に解決」されたとされています。大法院は、国際法であるこの協定を覆すような判決を出したことになり、日韓関係は決定的に悪化しました。
今回、この判決を否定する判断をソウル中央地裁が行ったことになります。それに対し、左派系メディアは猛反発。一方、保守系メディアは今までの政権や司法の不合理な反日判断を批判する形で、判決を歓迎しています。
判決において裁判長は、国際法である日韓請求権協定を無視することはできないと指摘。さらに、協定締結後の日本からの経済支援が韓国に「漢江の奇跡」と呼ばれる経済発展をもたらしたことや、日韓関係の悪化やそれに伴う米韓関係の悪化が韓国に好ましくないといった外交的な観点にも触れたことが、話題になっています。
同地裁は4月にも、元慰安婦訴訟を同様の主旨で退けています。韓国司法に大きな変化が起きていると、注目を集めています。
その背景には、文在寅政権の意向があると指摘されています。2018年の大法院判決によって日本企業の一部が韓国内資産を現金化する手続きに入っていました。そのことについて、文大統領は1月の記者会見で「韓日の関係において望ましくない」と述べ、対日方針の軟化を見せていました。
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