日本の技術は今やアジアの急激な発展の土台だ。その中の一つが、日本の天気予報の技術であり、アジア諸国を中心に活躍している。

日本は地球各地の気温や気圧などの膨大なデータをもとに今後の天気の変化を予測する「数値予報」を40カ国以上に無償で提供しており、各国の災害対策や農業の発展に貢献している。また日本の気象庁職員はアジア各国の気象予報官らに天気予報の研修を行い、人材育成にも協力している。17日の研修は今回で8回目となった(11月19日付朝日新聞)。

日本の技術は、インフラ投資の面でも期待が大きい。

14日、安倍晋三首相はイスタンブールでトルコのエルドアン大統領と会談し、経済連携協定(EPA)交渉を推進することで一致した。会談では、トルコからの農産品の輸出拡大と、トルコでの日本のインフラ事業への協力を強化する方針も確認された。

このインフラ事業の一つである黒海沿岸シノップでの原子力発電所建設に、三菱重工など日本企業が参加する見通しだ。日本の技術輸出は、様々な国との関係強化につながっている。

中国の投資は事実上の「植民地化」

しかし一方で、アジアで覇権拡大を狙う中国を前に、日本は苦戦を強いられている。

中国はインドネシアの高速鉄道建設計画をめぐって日本と受注合戦を繰り広げた末、資金力を頼りにその権利を手に入れた。タイやフィリピン、インドなどでも同様の競争が続いている。また中国の習近平・国家主席は10月にイギリスを訪問し、英国国内の原発建設への中国企業の参加を取り付けた。他の投資や貿易も含め日本円にして7兆円以上の契約を結んでいる。

他にも中国はAIIBを通して世界各地のインフラ事業に手を伸ばそうとしている。中国は資金力をもとに他国の金銭面の要請に迅速に応える交渉で各国と関係を深めているが、その結果、現地の経済が飲み込まれ、中国依存が進み経済的な「植民地化」が進んでしまっている。

日本は柔軟な投資で他国と「共存・共栄」を

逆に日本の技術輸出は、各国の人材を育て、発展を押し進めるものであり、「共存・共栄」で世界を発展させる力になるのだ。日本政府はインフラ整備のための円借款について条件を緩和し、柔軟に他国のニーズに応えるものにする見込みだ。日本式の技術輸出をすすめ、もう一段の他国との連携強化に務めるべきである。(祐)

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