アメリカがイラク駐留軍の態勢を見直し 中東の反米勢力が勢いづき、影響力の後退が著しいアメリカ
2024.01.26
画像:Alexandros Michailidis / Shutterstock.com
《ニュース》
アメリカのオースティン国防長官が25日(現地時間)、米軍主導の有志連合軍がイラクに駐留している政策を見直す方向でイラク側と協議し、近く交渉を開始すると明らかにしました。
《詳細》
米英など9カ国からなる連合軍は長らく、イスラム教スンニ派過激組織イスラム国(IS)掃討を目的としたイラクでの駐留を行ってきており、約2500人の米兵がいます(シリアにも約900人が駐留)。かつてオバマ米大統領が2011年に米軍をイラクから撤退させたものの、イスラム国がイラクの3分の1を掌握した後に、米軍は再びイラクに戻りました。
しかし今や、多くのイラク政府高官が、イスラエル・ハマス戦争の勃発により、イランに支援された民兵との戦闘が断続的に発生しているため、米軍の撤退を求めています。昨年10月以来、イランの支援を受けた武装勢力から、少なくとも150回を超える攻撃が確認されており、とどまる気配がありません(約70人のアメリカ人が負傷、1人が重傷)。
イラク外務省はISの活動を分析しながらも、イラク治安部隊の強化策を検討した上で、連合軍の撤退に向けた協議を行うと表明。一方、米国防総省は撤退を話し合う場ではないとの立場を明らかにし、思惑の違いが表面化しています。とはいえ、複数の米メディアは、撤退(一部も含む)も視野に入っていると見ています。
最低数カ月かかると見られるアメリカとイラクの交渉は、イラクにおける20年にもわたる米軍の関与に幕を下ろすことを意味すると、米紙ワシントン・ポストは指摘しています(今月25日付電子版)。
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