中国・河南省の大洪水で「ダム放流原因説」が浮上 長江に続き黄河流域の水害が意味するものとは
2021.07.24
豪雨による洪水が起きた鄭州市は黄河のほとりの都市。画像: Germhess / Shutterstock.com
《ニュース》
中国・河南省鄭州(ていしゅう)市の洪水について、当局が人々に通知せずにダムを放流したことが原因との疑惑が取り沙汰されています。
《詳細》
22日付本欄でも報じた通り、20日ごろより黄河流域の河南省鄭州市で大規模な洪水が発生。地下鉄のトンネルに大量の水が流れ込むなど、多大な被害が出ています。
中国では洪水被害の多くが隠蔽されていると見られますが、今回、当局も「33人の死者、300万人の被災者が出ている」(22日時点)と発表しています。この数字が実態を表している可能性は限りなく低いですが、背景には大規模な被害があると思われます。
鄭州市が大都市であるほか、アップル社のiPhone製造拠点や日系企業の工場が被害を受けるなど世界的な影響もあり、海外メディアにも報じられています。
そんななか、現地のネットを中心に物議を醸しているのが、地方政府が事前通知をせずにダムを放流し、それが大参事につながったという疑惑です。
鄭州市の水位が急激に上がりはじめる約7時間前、鄭州市区から2キロしか離れておらず、標高的には中心部より数十メートルも高いところにある常荘ダムが「厳しい状況にある」として放流されました。しかしそのことは公表されず、市民への避難指示も、地下鉄の閉鎖も行われませんでした。結局放流が発表されたのは、甚大な被害が出始めたずっと後でした。
現地のネット上では、「人災」であるとする怒りの声が溢れています(大紀元、看中国など複数のメディアが報道)。
《どう見るか》
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