ドイツが「難民受け入れ厳格化」に方向転換か EUを富ます考え方とは
2016.12.09
ドイツ与党・キリスト教民主同盟(CDU)が6日に開催した党大会で、アンゲラ・メルケル首相を党首に再選した。メルケル氏は首相として、来年の総選挙で4期続投を狙っている。
ドイツで盛り上がる難民受け入れ反対の世論
メルケル氏は党大会の演説で、イギリスの欧州連合(EU)離脱や、イタリアの親EU派のレンツィ首相が国民投票で敗れたことに懸念を表明。「混乱に陥った世界の中で、欧州をこれ以上弱くするわけにはいかない」と強調し、欧州の結束を訴えた。
中東などからの難民を積極的に受け入れる政策を進めてきたメルケル氏は、ドイツ国内で「治安を悪化させた」という批判を受け、難民の受け入れ反対を主張する新興政党が支持を伸ばしている。この現象は、ドイツに限らず、フランスやイタリアなどでも起きている。
難民政策についてメルケル氏は、「去年の夏以降、多くの難民が流入したような事態は決して繰り返さない」と述べ、受け入れを厳格化する考えを示した。また、イスラム教徒の女性がベールなどで顔を覆うことを禁止する方針を打ち出した。
今のドイツではEUを発展させられない
メルケル氏が難民を積極的に受け入れるのは、人道的な目的だけでなく、難民を労働力に育て、ドイツの経済発展につなげたい考えがあった。しかし実際には、難民の教育や社会保障などの財政負担が増え、ドイツ経済は悲鳴を上げている。
現在のEUは、経済弱小国が経済強国に依存する構図になっている。EUの予算の約2割を拠出するドイツは、これ以上金をむしられないように、一生懸命、"金庫を守っている"状態だ。今のメルケル氏のリーダーシップでは、EUを発展させることは難しいだろう。
自助努力の精神が各国の発展につながる
大川隆法・幸福の科学総裁は、12月7日の大講演会「真理への道」で、EUについて次のように述べた。
「 ヨーロッパの諸国が連合しても、弱小連合になって、社会福祉的な思想が中心になっています。豊かな国は一部しかありません。入りたがっている国は、貧しい国です。そこから難民がいっぱい、次々とまた、流れ込んできています 」
翌8日に行われた法話「政治の論点について」でもEU問題に触れ、各国の自助努力の大事さを強調した。
イギリスのEU離脱に始まり、フランスやドイツ、イタリアなどでもEUへの不満や離脱の議論が盛り上がっている。それを単なる自国中心主義や移民排斥の動きとするのではなく、各国が独立自尊の精神で、自国を発展させていけるよう促すことが必要だ。
(小林真由美)
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