中国の現体制は崩壊し、東アジアの繁栄が来る
長谷川慶太郎講演レポート
幸福の科学・東京正心館(東京都港区高輪)で、5月20日、国際エコノミストの長谷川慶太郎氏が講演。風雲急を告げる中国情勢と、今後の東アジアの展望を語った。その内容をレポートする。
国際エコノミスト
長谷川 慶太郎
(はせがわ・けいたろう)
1927年京都生まれ。53年大阪大学工学部卒。新聞記者、証券アナリストを経て63年独立。83年に『世界が日本を見倣う日』(東洋経済新報社)で第3回石橋湛山賞受賞。『日本と世界はこう激変する』(共著、李白社/ビジネス社)、『2012年 長谷川慶太郎の大局を読む』(李白社/ビジネス社)など多数の著書を持つ。
改革・開放の失敗によって中国内部の対立が激化している
率直に言って、中国の改革・開放路線は破綻しました。今、起こっているのは、企業の連鎖倒産と、それによる大量の失業者の発生です。その理由はいろいろありますが、一番大きいのは、ユーロ危機です。ユーロが惨憺たる状況であることは皆さんもよくご存知の通りです。中国の輸出は3分の1がユーロ向けです。中国からの輸出は日に日に減っていると言ってよいでしょう。売り先がなくなっているのです。したがって、中国の企業は経営ができません。
そのため、経営者たちはみな夜逃げしています。ある朝、従業員が出勤してみると工場の門が閉まっている、中はどうなっているかと思って見回してみても、前の日に退勤したときと何も変わらない。物も機械もそのまま残して、現金だけを持って経営者が逃げている。それが決して1件、2件ではありません。数万件の規模で発生していると言ってよいでしょう。工場の門も開けてくれないのですから、従業員は働くこともできません。このような調子で、失業者が急増しているのです。