《ニュース》
スペインとポルトガルで大規模な停電が発生し、再生可能エネルギーに依存する電力システムの脆弱性に注目が集まっています。
《詳細》
スペインとポルトガル、及びフランスの一部地域など、イベリア半島の大部分で4月28日、大規模な停電が発生しました。欧州史上最大規模の停電とされています。
多数の人が停止したエレベーターに閉じ込められ、救助活動が展開されました。地下鉄・列車が途中で止まり、信号機も機能しなくなり交通は混乱。夜には人々がライターや蝋燭で明かりを灯す姿も見られました。
ATMや電子決済システムも停止し、多くの商業施設も閉店。電話やネットも途絶え、ニュースを得られなくなった人々が動揺する様子も報じられています。病院は非常用電源への切り替えを余儀なくされ、在宅で人工呼吸器を使う人など、幅広く影響を受けました。スペイン内務省は緊急事態宣言をし、治安維持のために3万人の警察官を動員しました。
原因究明には時間がかかるとされていますが、さまざまな専門家が分析を行っています。
スペインの電力網を担う事業者によれば、同国南西部で太陽光発電所の故障によると思われる停電が2件発生し、最初の引き金になった可能性があるといいます。
それがなぜ、イベリア半島全域に波及したかについては、さまざまな議論がなされています。
なかでも注目を集めているのが、「スペインは再エネの電源構成比が半分を占めており、特に、停電時の再エネ(太陽光と風力)への依存率が7割近くにまで及んでいたのが、原因だったのではないか」という指摘です。
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