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ユニクロを運営するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が、強制労働が問題になっているウイグル産の綿を「使用していない」と発言したことで、中国国内での不買運動の恐れが高まっています。
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中国がウイグルでの強制労働を行っていることで、欧米が制裁をかけるという問題をきっかけに、世界的に、アパレルメーカーが新疆綿の使用を中止する動きが広がっていましたが、柳井氏はこれまで、新疆綿の使用について「ノーコメント」と明言を避けてきました。
2021年にはユニクロ製品のシャツの生産地が問題となり、アメリカの関税当局が輸入を差し止める事態が発生。その際、同社は「強制労働などの深刻な人権侵害がない」ことを確認していると発表していましたが、23年11月に環境・人権を念頭にサプライチェーン改革を進めると発表。原材料の調達まで自社で管理する生産体制を確立させるとしていました。
11月28日付BBCのインタビューで、同社の「サプライチェーン改革」の取り組みについて新疆綿が理由かと問いかけられると、柳井氏は「それは使っていません」と発言。「どこの綿っていうことを言ったとしても……」「まあこれ以上言うと政治的になるのでやめましょう」とするにとどめています。
この発言を受け、中国外交部の毛寧報道官は11月29日、「関係企業が政治的な圧力や不当な干渉を排除し、自らの利益に合致する独立した商業判断を下すよう望む」と表明していました。中国国内ではユニクロ製品ボイコットの動きも見られ、ファーストリテイリング社は「状況を注視している」としています(11月30日付ブルームバーグ電子版)。
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