2024年10月号記事

第4回

釈量子の宗教立国への道

幸福実現党党首が、大川隆法・党総裁による「新・日本国憲法 試案」の論点を紹介する。

釈量子

幸福実現党 党首

釈 量子

(しゃく・りょうこ) 1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒。大手企業勤務を経て、幸福の科学に入局。本誌編集部、常務理事などを歴任。2013年7月から現職。
釈量子のブログはこちらでご覧になれます。
https://shaku-ryoko.net/

「正義のある平和」を実現する宗教政党の使命

第一条 ③

新・日本国憲法 試案
『新・日本国憲法 試案』
大川隆法著
幸福の科学出版
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79回目の「終戦の日」である8月15日、党本部がある赤坂ユートピア活動推進館で、「宗教立国への道セミナー」と題し、「新・日本国憲法 試案」の〔前文〕〔第一条〕〔第二条〕の学習会を行いました。

首都圏の党員有志が相集い、学びや法談を通じてかつてないエネルギーが湧き上がってくるのを実感しました。大川隆法・幸福実現党総裁の「憲法試案」には、新しい国造りの根源的な力が込められているのです。

経済面や安全保障面において国家存亡の危機にある日本は、新たな政治思想に基づく国造りが必要です。しかしながら、国会でも改憲の動きは遅々として進みません。今こそ、総裁の「未来日本の国家ビジョン」を純粋に受け止め、最終目的地を見据えた上で、今何を為すべきか、逆照射することが必要です。

新・日本国憲法 試案〔第一条〕

国民は、和を以て尊しとなし、
争うことなきを旨とせよ。
また、世界平和実現のため、
積極的にその建設に努力せよ。

「正義のある平和」を訴える宗教の責任

今回述べたいことは、「正義のある平和」(*)です。総裁の憲法試案〔前文〕には「日本と地球すべての平和と発展・繁栄を目指し」、〔第一条〕には「世界平和実現のため、積極的にその建設に努力せよ。」という言葉があります。

日本では、「宗教は非戦を説くものだ」という考えが根強く、宗教団体が「憲法九条を守るべき」という護憲派と一体化して活動するケースが多く見られます。

この傾向は、戦後の占領政策に淵源があるようです。

敗戦後、GHQが神道指令を発し、国家神道を解体しましたが、その他の宗教諸宗派も占領政策に収まっていきました。

1947年5月の新憲法施行に併せて、築地本願寺で「全日本宗教平和会議」が開催されました。その際、次のような懺悔文が朗読されました。

「いずれの宗教も平和を本領とせざるものなきに拘らず、(中略)悲惨なる今次戦争の渦中に巻きこまれたことは、神佛に対し、祖国に対し、かつは世界の全人類に対し、慚愧に堪えない」

しかし、世界各地で紛争が起きている今、多くの人々の幸福のために活動する宗教が非戦を唱えるだけではその責任を果たすことはできません。

大川総裁は、「政治において平和を提唱するのは大事なことですが、それによって悪の勢力を増長させてはなりません。もう一つ、『正義とは何か』という観点を忘れてはならないのです」「『悪に屈服する平和』『悪に懐柔される平和』『悪と融和する平和』、こういうものは『奴隷の平和』であると私は思うのです」(*)と説かれました。

「和」の精神を国家千数百年の国是として実現した聖徳太子も、悪に対しては妥協せず、十七条憲法には、「悪を懲し善を勧むるは、古の良典なり。ここをもって、人の善を匿すことなく、悪を見ては必ず匡せ。それ諂い詐る者は、則ち国家を覆す利器たり、人民を絶つ鋒剣たり」と鋭く記しています。

(*)『釈迦の本心 政治編』(幸福の科学刊)

世界平和建設に向けた日本の努力

正義なき「奴隷の平和」は、動物的な恐怖心に支配されたものと言えます。大川総裁の箴言集『地獄に堕ちないための言葉』によると、地獄では「時々、『憲法九条』と刻印されたシマウマまで目撃される」とのこと。

本当に世界の人々への愛があるならば、宗教者は神仏の智慧の力で悪を打ち破り、世界平和を実現していかなくてはならないはずです。

唯物論・無神論国家の中国におもねり、その覇権主義に対して何ら手を打たず、周辺国に対する侵略行為を見逃すようなら、それは「平和」の姿ではないのです。

また、ロシア‐ウクライナ戦争においては、ロシアの行為を一方的に侵略だと責め立てても平和は訪れません。日本は、NATOの東方拡大でロシアを追い詰めた欧米諸国に反省を促してウクライナの中立化を目指し、智慧をもって停戦の仲介を行うべきです。

11月の米大統領選で再選が期待されるトランプ氏は常々「力による平和」(Peace Through Strength)を主張しています。日本も、国家意思として、現行憲法の「平和主義」の欺瞞や嘘を乗り越え、「積極的平和の建設」へと踏み出そうではありませんか。

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