2024年6月号記事
幸福実現党 党首
釈量子の志士奮迅
第135回
幸福実現党 党首
釈 量子
(しゃく・りょうこ) 1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒。大手企業勤務を経て、幸福の科学に入局。本誌編集部、常務理事などを歴任。2013年7月から現職。
釈量子のブログはこちらでご覧になれます。
https://shaku-ryoko.net/
「祈りの国」をかけた価値観の戦い
米大統領選、そして日本
キリスト教圏にとって最も大切な日の一つである「イースター(復活祭)」をめぐり、アメリカ大統領選におけるバイデン陣営とトランプ陣営との間に、激しい論争が巻き起こりました。
原因は、バイデン氏が3月31日の「国際トランスジェンダー認知の日」に合わせ、性的少数者の権利を呼びかける声明を出したこと。これがイースター・サンデーと被ってしまい、共和党陣営が猛反発しました。性的マイノリティの問題は、キリスト教の教義に背くものであるため、「キリスト教への冒涜」「意図的な宗教攻撃」といった批判が噴出したのです。トランプ氏もバイデン氏の軽率さを批判し、「クリスチャン認知の日」をつくり対抗すると宣言しています。
この論争は、現在行われている大統領選が「アメリカとはどういう国なのか」をかけた「精神的な戦い」であるということを象徴しています。
トランプ聖書の真意とは
もう一つ、注目の出来事がありました。トランプ氏がイースターを前に、聖書の発刊を発表したのです。表題に「アメリカに神の祝福を」とある同書は、従来の聖書に加え、アメリカ合衆国憲法や独立宣言などが記されたもの。日本では米民主党系メディアの横流しで「金儲けだ」とする批判的な報道が多いですが、トランプ氏の狙いはそうしたレベルの話ではありません。
これは大統領選の真の争点に迫るものであり、トランプ氏自身がこう説明しています。
「宗教とキリスト教はこの国で失われている最大のものです。(中略)それがこの国がおかしくなっている最大の原因の一つであると考えます。(中略)この聖書はアメリカに取り戻すべきもの、この国を再び偉大にするのは宗教であることを思い出させてくれます。(中略)私たちは再びアメリカを祈る国にする(Make America Pray Again)必要があるのです」
ここで言う「祈り」とは、日本で多い御利益信仰とは違います。「謙虚さと感謝の気持ちを持って、神の摂理の保護への確固たる信頼」(*1)を表明するという、「公的な祈り」です。そもそもアメリカ建国の歴史は、ピューリタン(清教徒)が新大陸で神の国を建設しようとしたことから始まります。1776年の「独立宣言」にも、すべての人間は「創造主によって、生命、自由、および幸福の追求を含む不可侵の権利を与えられている」と記され、この精神が何世代にもわたり語り継がれてきたのです。
トランプ氏も何度も「自由は政府からではなく、神から与えられた。その基盤の上にこの国は成り立っている」と語り続け、その信仰の原点に立って今、バイデン政権の行き過ぎたリベラル的方針で分断された国を、一つにしようとしているのです。
これは私たち幸福実現党にとっても、活動の原点にある重要な考え方です。大川隆法・党総裁はこう語っています。
「神に対して祈ることを当たり前とする国が多数決を取ったら、神様の心に近づこうとするのは当然のことではありませんか。だからこそ、人間がつくった法律以上の、道徳律の高い政治が実現できるのです。したがって、私は、この信仰の世界を自由と民主に取り込んでいくことは、非常に大事なことだと思っています。これが、日本の未来です。世界の未来です。こうあらねばなりません!」(*2)
(*1)2020年「国家祈りの日に関する宣言」
(*2)『自由・民主・信仰の世界』(幸福の科学出版)
立党15周年の原点回帰へ
今春、幸福実現党は立党15周年を迎えました。振り返るほどに、混迷する情勢の中、2009年の立党が日本と世界を救おうとする神の慈悲そのものであったことを痛感します。創立者である大川総裁への限りない感謝を捧げるとともに、これまでご支援下さった全ての皆様に厚く御礼申し上げます。
このたび党より、『幸福実現党 立党の原点』を上梓いたします(下)。救世の志を改めて見つめ、真なる宗教立国を成し遂げる志を綴らせていただきました。本書を機に、どうか大川総裁の著書をお読みいただき、この叡智の言葉の上に未来が築かれていくことを実感していただきたいと切に願います。これからも未来を切り拓くために戦い続けます。今後もどうぞよろしくお願いいたします。
新刊