《ニュース》
全米経済研究所(NBER)がこのほど発表した研究報告で、コロナ禍で広がったリモート学習によりアメリカ人学生の成績が低下していることが判明しました。米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が社説で報じています(12月6日付電子版)。
《詳細》
研究報告は米ブラウン大学、ネブラスカ大学リンカーン校、マサチューセッツ工科大学の研究者らによって共同執筆され、全米12州で行われている対面授業の割合と、3年生から8年生(日本の小学3年生から中学2年生)の生徒の成績との関係を調査したものです。
これによると、算数と言語技術(英語)それぞれの科目で「十分に習熟している(proficient)」もしくはそれ以上の成績を収めた生徒の比率について、2021年の春とそれ以前で比べたところ、算数が平均14.2ポイント、言語技術が平均6.3ポイント低下したとのこと。
その上で、「(成績優秀者比率の)落ち込みは対面指導が少なかった地域で、より大きかった」と指摘しています。
リモート式に頼らず完全に対面で指導している地域では、成績優秀者比率の減少が平均と比較して、算数で10.1ポイント、言語技術で3.2ポイントも抑えられていたという研究結果から、「対面教育が制限されたことにより、大幅な学習損失が表れている」と論じました。
例えば、対面授業を行った時間が9.16%と12州の中で最も少なかったバージニア州は、算数における成績優秀者比率の減少が31.9 %と、最も大きくなっています。
《どう見るか》