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与野党は4日、選挙に関するSNS上の偽情報対策を協議しました。
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SNSをはじめとするインターネット空間では、さまざまな情報が飛び交っており、選挙戦にも大きな影響を及ぼすようになっています。ただその中に、真偽や根拠が定かではない情報が含まれていることを問題視する声も増えています。
そうした中、自民党はこのほど、選挙に関するSNS上の偽情報対策に向けた論点整理のたたき台をまとめました。たたき台はSNS事業者に自主規制を求める内容で、「選挙に与え得る悪影響を軽減する措置を自ら検討・実施し、取り組み実績を公表するよう求める規定を設ける」と明記。具体的には、「偽情報などの投稿者への収益支払いを停止」「投稿の削除要請を受け付ける体制構築」「個人の名誉を傷つける投稿は即日削除を促す」などを例に挙げています。
その上で自民は4日に、立憲民主党や日本維新の会などの野党との協議を行いました。たたき台は示されませんでしたが、SNS事業者が投稿を削除する仕組みについて議論され、野党からは偽情報の定義や、投稿削除の際の実務上の課題などについて意見が出たといいます。自民は、これらの議論やたたき台などをもとに、夏の参議院選挙前に開く次回会合で意見集約を目指すとしています。
このようなSNS事業者に対する規制はヨーロッパが先行しており、日本政府も参考にしているとみられています。ヨーロッパでは各国が独自の対応を行っているほか、EU(欧州連合)としても2022年、事業者に偽情報などの有害コンテンツの排除を求める「デジタルサービス法(DSA)」を施行しています。
しかし、ヨーロッパのSNS規制をめぐっては、「言論の自由を侵害している」といった懸念の声も上がっています。
例えばヴァンス米副大統領は2月にドイツで、各国の要職を前に演説し、ヨーロッパのSNS規制を「検閲」「民主主義の破壊」などと痛烈に批判しました。米国務省もDSAを念頭に、「たとえ内容が不快なものであっても、検閲は民主主義を損ない、政治的反対者を抑圧し、公共の安全を低下させる」とXに投稿しています。
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