2021年8月号記事

コロナ下の総理の条件

戦後日本が経験したことのない危機の時代に突入している。
誰が総理になるにせよ、この中心軸を貫けないリーダーは、
日本の未来を守ることができないだろう。

 

Contents

p.14~

総理の条件(1) コロナは10年続くと見て、「緊急事態宣言」には頼らない

p.20~

総理の条件(2) 「温室ガス46%削減」は棚上げ

p.26~

総理の条件(3) 台湾を防衛し経済は"脱中国"─正義を貫く

p.34~

総理の条件(4) 信仰心を持っている

 

「総理の座」をめぐる政局が、水面下で流動化しつつある。菅義偉首相の支持率は危険水域に近づいてきた。


菅氏は五輪強行で踏ん張るも……

菅氏は現在、東京五輪の「強行開催」の線で踏ん張っている(6月中旬)。これまでのコロナ対策のあらゆる判断は、「開催までに何とかコロナ感染者数を抑え込もう」という逆算から導き出されている。先進7カ国首脳会議(G7サミット)でも、菅氏は各国首脳から「開催支持」の"言質"を取り、外堀を埋めようとした。

だが仮に五輪を開催できても、感染の第5波・6波は必ずやってくる(*)。その場合は責任追及も厳しいものになるだろう。

秋には衆議院の任期満了が迫り、解散総選挙の足音が聞こえてくる。自民党の新たな「顔」を狙う"有力候補"たちも水面下で動き始めている。なかには、「安倍晋三氏の再々登板」「小池百合子・東京都知事が五輪中止をカードに国政復帰」などのシナリオまでささやかれている。


危機のリーダーを「政局」で決めるな

しかしそもそも、日本はあらゆる面で未曽有の危機に直面している。人類が未経験の世界的なパンデミック、にわかに吹き荒れ始めた「脱炭素」のうねり、そして、中国共産党のとどまるところを知らない拡張主義─。従来の延長線上の「政治学」で、とうていこの国の舵取りはできない。ましてや、危機の時代の「総理」を、政局や駆け引きで決めている場合ではない。

今、日本の政治家は、どのような信念に基づき、何を成すべきか─。骨太な「総理の条件」を提示したい。

(*)8月号記事「コロナは2、3年では収束しない! 政府を当てにするな! 個人も事業主も、石にかじりついてでも強靭に生きよ」参照。

 

次ページからのポイント(有料記事)

コロナは10年続くと見て「緊急事態宣言」には頼らない

Interview インフル並みの対策で十分「緊急事態宣言」は必要ない 本間 真二郎氏

Interview 働かざる者、食うべからず。コロナを理由に国力を落としてはならない 鈴木 真実哉氏

安倍、菅、小池……。全体主義の練習をする為政者たち

各人の責任ある自由に任せよ