2021年8月号記事

コロナ下の総理の条件

戦後日本が経験したことのない危機の時代に突入している。
誰が総理になるにせよ、この中心軸を貫けないリーダーは、
日本の未来を守ることができないだろう。


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総理の条件(2)

「温室ガス46%削減」は棚上げ

条件の2つ目は、「脱炭素」の問題。
無責任な動機で「脱炭素」に飛びつき、国民経済を破壊することは許されない。

「おぼろげながら浮かんできたんです。46という数字が」

菅政権が「2030年度の温室効果ガスを46%削減する」と発表したことについて、小泉進次郎・環境相がテレビでこうコメントし、大炎上した。ところがこの「思いつき感」は、小泉氏のみならず、菅首相からも漏れてくる。

菅氏は元来、あまり脱炭素に意欲的な政治家ではなかった。それが昨年10月、所信表明演説で突然、「2050年のカーボンニュートラル」を表明し、政権の看板政策に据えてしまった。

一部では「周りに『国際社会に総理の名が知られる』と吹き込まれた」といった報道もあるが、いずれにせよ急ごしらえ感は否めない。


発表当日に密室で決めた

そして今年4月22日、菅氏は「気候変動サミット」直前にいきなり、「46%」をぶち上げる。水面下でバイデン米政権側から大幅削減を要望されていたため、それに少しでも応えようと急ピッチで調整していたという。

各省庁が提示した「これくらいなら何とか削減できる」という数字は、マックスで40%前後だったとされる(これでも机上の空論に近いが)。

しかし菅氏はそれをも飛ばす形で、「46」という数字を、サミット当日の午前中、たった二人の大臣と官邸で決めてしまった。

百歩譲って「脱炭素」を目指すとしても、こうした目標は本来、「再エネや火力、原発などのバランス」「目標実現にかかる金額」といった議論の上に判断するのが筋だ。そうした過程を抜いた異例のやり方で、「サミットを切り抜ける」「レガシーづくり」のためにこの目標値を打ち出したのだとすれば、速やかに白紙に戻すべきだ。

 

次ページからのポイント(有料記事)

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