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11月初旬のアメリカ大統領選挙で、ドナルド・トランプ氏が勝利した。

だが、この結果について、日本人はマイナスに受け止める傾向が強いようだ。11月中旬に行われた読売新聞の世論調査では、トランプ氏が次期大統領に選ばれたことについて「よくなかった」と答えた人が62%で、「よかった」と答えた15%を大幅に上回っている。

発言の真意を伝えないマスコミ

こうしたネガティブな反応の理由として、トランプ氏の過激な発言などが挙げられている。

「メキシコとの国境に壁をつくる」「不法移民は強制送還する」といった発言から、人種差別的で強権的な人物ではないかというイメージが強く、大統領となって何をするかわからないと考える人が多いのだろう。

ただ、こうした発言は、トランプ氏の真意を伝えるものではない。

トランプ氏は、国境に壁をつくると主張しているが「壁の真ん中にきちんとした入り口をつくりましょう。わが国に入る方は合法的に入ってきていただきたい」とも語っている。すなわち、移民を差別し、排斥しようとしているのではなく、正当にアメリカに移住したい人を受け入れるためにも、不法移民を許すわけにはいかないというのが発言の真意だ。

これは、むしろ真っ当な内容であり、多くの人の賛同を得られるのではないか。

マスコミが発言の一部を取り上げて報道しているため、イメージが歪められているが、マスコミ報道がすべてだと思ってはいけない。

実際、アメリカのマスコミの多くはヒラリー・クリントン氏を支持し、応援する報道を繰り返していたが、アメリカの有権者は報道に惑わされることなく、トランプ氏が勝利した。マスコミ報道に左右されず、自分たちで判断したアメリカの有権者のように、日本人も本物を見抜く目を持ちたいところだ。

日本人は北朝鮮の核より日本の核装備を恐れている?

もうひとつ、トランプ氏の勝利を「よくなかった」と考える理由として、後にトーンを弱めたものの、日本の核保有を容認する発言への危惧や不安がある。読売新聞社の世論調査によると、核保有容認発言を「評価しない」と答えた人は86%にのぼった。

だが、これについても日本は冷静に考えるべきだろう。オバマ大統領は「核なき世界」を訴え続けているが、現実には、北朝鮮がミサイル発射実験や核実験を行うなど、「核を持つ国」が台頭している。

そんな中、日本はアメリカの核の傘で守ってもらっているのが現状である。

これに対してトランプ氏は、日本は大国なのだから、アメリカに頼らなくても自分たちで自分たちの国を守れるだろうと訴えているのだ。見方を変えれば、日本を対等なパートナーとして扱ってくれていると考えることもできる。

むしろ、北朝鮮のような国を放置したまま、むやみに「核なき世界」を訴えているオバマ氏の方が無責任で危険だといえる。

核保有発言を「評価しない」と考える人は、中国や北朝鮮による核の脅威に目を向けるべきだ。その脅威を認識するならば、トランプ氏の発言は、日本人の国防意識を高め、自立するためのよいきっかけになることだろう。(慈)

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