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米ニューヨーク市のマムダニ市長が、巨額の財政赤字解消のための財源として富裕層課税を主張するなか、米左派メディアのワシントン・ポスト紙がこのほど、「その取り組みの中心には『嫉妬の政治』がある」と批判しました。

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ニューヨーク市は現在、数十億ドル規模の財政赤字を抱えています。しかし「社会民主主義者」を自称するマムダニ氏が掲げる保育無償化や市内バスの無料化の実現には、より多くの財源が必要であるため、同氏はかねてより企業や富裕層への増税を唱えてきました。

そうした中、マムダニ氏のある行動が物議を醸しています。マムダニ氏は4月、NY市の億万長者で、ヘッジファンド大手シタデルのグリフィン最高経営責任者(CEO)の高級住宅の前で動画を撮影し、SNSに投稿。マムダニ氏は動画の中で「富裕層への増税」を宣言しています。

これに対し、シタデルのビーソン最高執行責任者(COO)は「恥ずべきことだ」と反発。ビーソン氏が従業員に送付したメモによると、同社は過去5年間で市税と州税として約23億ドル(約3600億円)を収めており、グリフィン氏自身もこれまで数々の機関に6億5000万ドル(1000億円)の慈善寄付を行っているといいます。さらに同社が計画しているニューヨークでの60億ドル規模のオフィス再開発事業は、6000人の建設雇用と、1万5000人の常勤雇用につながると見込まれています。

当のグリフィン氏も今月6日、マムダニ氏の動画に対し「気味が悪くて、奇妙だ」とし、倫理的にも問題があり、「マムダニ氏は、ニューヨークは成功を歓迎していないと明確に述べている」と指摘。ニューヨークでの事業計画を見直し、現在の本社所在地であるマイアミに資源と雇用を拡大する可能性もあると語っています。

さらに注目すべきは、一連の騒動をめぐり、左派メディアのワシントン・ポスト紙がマムダニ氏を痛烈に批判していることです。

同紙は、「マムダニ氏は、その取り組みの中心に嫉妬を据えている。これは財政的には失敗に終わることは必至だが、すでに道徳的に失敗していると言える」「政治指導者は若者にとって模範となる存在だが、ニューヨークで最も影響力のある政治家が、若者たちに『成功を真似るのではなく、むしろ嫉妬せよ』というメッセージを送っている。これは決して新しい戦術ではなく、これまで良い結果に終わったことは一度もない」と指摘しています。

一方でグリフィン氏に対しては、「彼は利益を追求する中で、数えきれないほど多くの人々に富をもたらし、社会主義の扇動家たちが決して納めることのできないほどの税金を納めてきた」と評価しています。

トランプ大統領もマムダニ氏に対し、グリフィン氏への対応を見直すよう求め、同氏のような実業家を失うことは市にとって深刻な打撃になると警告。トランプ氏は、増税によって富裕層をニューヨークから追い出すことのないよう、「一度去った人は二度と戻らない」と忠告しました。

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