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米連邦裁判所は4月29日、民主党が選挙に勝利するために、票田である黒人が多数を占めるように恣意的に操作していたルイジアナ州下院の選挙区の区割りについて、法の下の平等に反するとして「違憲」と判断しました。11月の中間選挙を前に、民主党は大打撃を受け、共和党に追い風が吹いています。

《詳細》

アメリカ各州では現在、中間選挙を見据えて、区割りの見直しが行われています。主な焦点は、民主党がこれまで共和党が優位な州の票を奪うために、「人種問題」を口実に恣意的に区分けしてきた「黒人選挙区」の見直しです(これは「ゲリマンダー」と呼ばれて政治問題化している)。

ルイジアナ州は2022年の選挙区改定において、州を大きく横断する形で少数派である黒人が多数を占める選挙区を新たに2つ設定しました。同州は共和党の地盤が強い州ですが、民主党は確実に議席が確保できるように票田である黒人有権者を束ね、このような恣意的な区割りを策定してきました。

これに対し非黒人系団体などが、「人種に基づく選挙区割りは、人種に基づいて投票権を否定、または制限することを禁じる修正憲法第15条や14条に違反する」と提訴。最高裁は4月29日にこの主張を認め、同州の区割りを「無効」としました。

民主党は長年にわたり、人種を理由とした投票権の侵害を禁止する「投票権法第2条」を根拠に、黒人が多数を占める選挙区をつくってきました。これについて最高裁判事のサミュエル・アリート氏は、「(同法は)意図的に人種マイノリティーの機会を奪うような区割りがなされた、という証拠がある場合のみに適用される」と指摘。そうした不正行為がないにもかかわらず、黒人が多数を占める選挙区を恣意的につくることは、「憲法違反であり人種差別的なゲリマンダーである」とされました。

判決を受け、ルイジアナ州司法長官のリズ・マリル氏は、「我が国の法律の下での平等な保護を再確認する、歴史的な判決」と歓迎。「連邦裁判所が州に対し人種差別的な地図を作成するよう強制するという、ルイジアナ州にとって長年の悪夢が終わった」とし、これから州知事や州議会と協力して「憲法に準拠した」新たな地図を作成するとしています。

一方で、民主党にとっては獲得できる議席が減ることに繋がりかねません。「これは壊滅的な出来事だ。非常に大きな打撃だ」(ニューヨーク州イベット・クラーク下院議員)、「これは良くない」(カリフォルニア州ナンシー・ペロシ元下院議長)と述べるなど、同党は危機感を募らせています。

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