lev radin / Shutterstock.com

1年近く続いたアメリカ大統領選。ついに、共和党のドナルド・トランプ氏が次期大統領に就任することが決まった。トランプ氏は9日、ニューヨークの陣営本部で勝利宣言を行った。

「今こそアメリカは、分断の傷を癒し、団結する時です。国中の共和党、民主党、無党派の人々に対し、共に一つの国民として団結しようと呼びかけたいと思います。今がその時です。私は全ての国民に対し、私は全てのアメリカ国民の大統領になることを誓います。それは私にとって、とても大事なことです」

アメリカは分断するか

トランプ支持者の間では喜びの声があふれるとともに、クリントン支持者の間では混乱が起きている。

9日付の米紙デイリーニュースが「HOUSE OF TERROR(ホワイトハウスが恐怖の館になった)」という見出しを掲げたほか、歌手でクリントン支持を表明していたレディ・ガガさんが、マンハッタンのトランプタワーの前で、深刻な表情で「愛は憎しみに勝つ」と書いたポスターを掲げ、「トランプが嫌い」と連呼する様子が報じられた。

また、アメリカ各地で、反トランプデモが相次いでいる。ニューヨークの中心部では、「お前の居場所はアメリカにはない」と叫びながら、デモ隊がトランプタワーまで行進。首都ワシントンでは、若者や黒人など数千人が「マイノリティの権利を守るべきだ」と訴えながら行進した。

選挙結果を受け、カナダへの移住を考えるアメリカ人が増えたのか、一時、カナダ移民局のウェブサイトが閲覧できない状態に陥った。一部のアメリカ人が本気で心配している様子が分かる。

トランプ氏はジェントルマン?

メディアでは、「暴言王で異常な人格の持ち主」として扱われてきたトランプ氏。だが、過激発言のみを報じるメディアを見ているだけでは、真実を見誤ってしまう。

産経新聞(10日付)では、過去にトランプ氏にインタビューしたことがある一橋大学非常勤講師の植山周一郎氏の発言として、トランプ氏は「理路整然と主張しつつ、相手の顔を立てる気配りの人」と評価していることを報じている。勝利宣言でも、まず初めに共に大統領選を戦ったクリントン氏を讃える言葉を述べている。激しい非難合戦をした相手への気配りがうかがえる。

トランプ氏は、意外なことに酒もたばこもやらない。しかも働き者だ。著書『トランプ自伝』には、「時々、夜眠れなくなる。早く起きたい、早く仕事に行きたい、と思うと眠気が吹っ飛んでしまう」と記している。その持ち前の情熱と交渉力でさまざまな取引を成功させた。

また信仰心もあり、プロテスタントでもある。「我々の心の奥に根差した宗教心は、この国を偉大にした原動力だ」(著書『THE TRUMP』)と語っている。また、慈善活動への寄付も熱心に行っている。

今回、トランプ氏が次期大統領に選ばれたのも、多くの国民がトランプ氏の真実の姿を知っていたためだろう。本誌4月号「トランプの正体」で紹介したアメリカに住む人々の声は、以下のようなものだった。

「私はニューヨークに住んでいたから知っているけど、トランプ氏は見えない所で徳を積んでいる人。やると言ったらやる人よ」(50代・黒人女性)

「討論を聞いていると、切り返しが鋭くて頭がいい。言っていることもブレなくて正直だし、内容にも賛同できる」(50代・キリスト教徒の男性)

今後、トランプ氏の政治家としての能力は、次第に明らかになっていくだろう。日本のメディアはトランプ氏の過激な点ばかりを報じてきたが、その真実の姿を見る必要がある。

(山本泉)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『守護霊インタビュー ドナルド・トランプ アメリカ復活への戦略』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1613

【関連記事】

2016年4月号 3 トランプ研究 成金か? 人格者か? ドナルド・トランプ物語 トランプの正体 この暴言王は日本の友人か? Part 3

http://the-liberty.com/article.php?item_id=10966