建築物、一帯一路、香港、そして絶望する若者たち──習近平政権の数々の「未完成」プロジェクト【澁谷司──中国包囲網の現在地】
2024.10.19
アジア太平洋交流学会会長・目白大学大学院講師
澁谷 司
(しぶや・つかさ)1953年、東京生まれ。東京外国語大学中国語学科卒。東京外国語大学大学院「地域研究」研究科修了。関東学院大学、亜細亜大学、青山学院大学、東京外国語大学などで非常勤講師を歴任。2004年夏~05年夏にかけて台湾の明道管理学院(現・明道大学)で教鞭をとる。11年4月~14年3月まで拓殖大学海外事情研究所附属華僑研究センター長。20年3月まで、拓殖大学海外事情研究所教授。著書に『人が死滅する中国汚染大陸 超複合汚染の恐怖』(経済界)、『2017年から始まる! 「砂上の中華帝国」大崩壊』(電波社)など。
英エコノミスト誌によれば、中国は現在、信用収縮の真っただ中にあり、経済危機が新たなピークを迎えているという(*1)。
例えば、今年上半期に中国から引き揚げられた「外国直接投資」は、過去最高の148億米ドル(約2兆900億円)に達した。また、中国では不動産など高額な物件を購入したにもかかわらず、一向に現物が完成しない「未完成物件」により、生活苦にあえぐ家庭が3000万世帯あるという。
「未完成プロジェクト」という言葉が、中国経済の、いや10年以上続く習近平政権を象徴するものとして今、流行している。読んで字の如く、さまざまなレベルの政策や構想が掛け声倒れで暗礁に乗り上げている状況を指す。
(*1)2024年9月9日付『中国瞭望』
建築物、一帯一路、香港、そして若者たち
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