現地ルポ 沖縄本島・石垣島・与那国島
尖閣事件の舞台となった沖縄で今、中国の脅威に対する備えや、米軍・自衛隊の必要性を訴える声が大きくなっている。マスコミが描く「反米軍・反自衛隊」の沖縄像を突き崩す、沖縄の真実に迫った。
(編集部 山下格史)
沖縄が変わり始めている──。
尖閣事件で日本政府が中国人船長を釈放した後の10月上旬、事件の舞台となった沖縄の那覇、石垣島で立て続けにデモ行進が行われた。
この2つのデモの趣旨は、マスコミが描く「反米軍・反自衛隊」という沖縄像とは真逆のもので、尖閣事件で弱腰外交を続ける日本政府に対し、「日米同盟を強化せよ」「南西諸島に自衛隊を即時配備せよ」と、国防の強化を強く求めるものだった。
那覇市内の沖縄県庁前でマイクをにぎった、「沖縄の自由を守る会」の徳留博臣代表は、「戦後、中国の歴史は軍拡と侵略の歴史。このままでは日本が侵略されてしまう。私たちは毅然とした国家と日本人をつくっていきたい」と声を張り上げた。
複数の団体の参加で1500人規模に膨れ上がったデモ隊は、「尖閣は沖縄、日本の領土だ!」などとシュプレヒコールを繰り返し、2・5キロの道のりを1時間以上かけて行進した(上写真)。