《ニュース》
米フェイスブックなどを運営するメタ・プラットフォームズ社の元幹部が、米中の人工知能(AI)の開発競争などをめぐり、「メタが中国を支援し、アメリカの国家安全保障と価値観への裏切りだ」と米議会で証言し、衝撃が走っています。
《詳細》
2011~17年にかけてフェイスブックで働いていたサラ・ウィン=ウィリアムズ氏がこのほど、回顧録『ケアレス・ピープル』を出版し、すかさずメタが訴訟を起こしたことで大きな話題を呼び、ベストセラーとなっています。同書の中で、メタが2010年代半ばに中国市場に参入しようとして、「中国の検閲に関与し、検閲システムを開発した」と告発しました。これを受けて米議会が動き出し、ウィン=ウィリアムズ氏が証言したのです。
彼女の証言によると、メタが相当前のめりに中国政府に接近していたことが分かります。メタは2015年より、AIを含む重要な技術を中国側にブリーフィングし、「中国がアメリカに勝つよう支援」していました。そして、「ディープシークなど中国のAI技術の進歩に大きく貢献した」と非難しました。
さらにメタは、中国政府の要求に屈して、アメリカ在住の著名な反中活動家のアカウントを削除して「言論の自由」を踏みにじったほか、共同創業者のザッカーバーグ氏は中国語を勉強したり、生まれて来る子供の名前を中国の習近平・国家主席に名付けてもらおうとしたりするなど(習氏はその申し出を断った)、アメリカの愛国者ではないといいます。
ザッカーバーグ氏は議会の証言で"自らを愛国者"と名乗りながら、中国共産党に協力していたことが浮き彫りとなりました。ウィン=ウィリアムズ氏はザッカーバーグ氏の"生態"について、「権力に近づくためなら何でもする」と説明します。
その言葉が示す通り、米民主党政権に急接近していたザッカーバーグ氏は一転して、昨年11月の大統領選挙に勝利したトランプ大統領との関係改善にも努めてきました。
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