澁谷 司

アジア太平洋交流学会会長・目白大学大学院講師

澁谷 司

(しぶや・つかさ)1953年、東京生まれ。東京外国語大学中国語学科卒。東京外国語大学大学院「地域研究」研究科修了。関東学院大学、亜細亜大学、青山学院大学、東京外国語大学などで非常勤講師を歴任。2004年夏~05年夏にかけて台湾の明道管理学院(現・明道大学)で教鞭をとる。11年4月~14年3月まで拓殖大学海外事情研究所附属華僑研究センター長。20年3月まで、拓殖大学海外事情研究所教授。著書に『人が死滅する中国汚染大陸 超複合汚染の恐怖』(経済界)、『2017年から始まる! 「砂上の中華帝国」大崩壊』(電波社)など。

今年は欧州連合(EU)創設50周年だが、同時に中欧国交樹立50周年でもある。それを記念しブリュッセルで開かれる首脳会談への招待を、習近平主席が辞退したと、3月16日付英FT紙が報じた(*1)。

EUは、半世紀にわたる北京との経済・貿易パートナーシップに敬意を表するため、習主席自身の出席を望んでいた。だが、代わりに李強首相がサミットに出席し、EU理事会議長のアントニオ・コスタ氏やEU委員会委員長のフォン・デア・ライエン氏と会談するという。

表向きの理由としては、「通常、サミットがブリュッセルで開催される場合、中国首相が出席し、北京で開催される場合は国家主席が主催する」という説明もなされたが、事実は異なるのではないか。

例えば、習主席はすでに外交に関与できないのではないか、ということも疑われる。主席本人の意志とは別人(1942年生まれの3人の元老──胡錦濤・温家宝・胡徳平など)の意向で外交が推進されているという見方も成り立つ。

(*1) 2025年3月16日付『万維読者網』

トランプ関税への対抗で中欧は団結するのか?