《ニュース》
経済産業省が発表した「エネルギー基本計画」の改定案では、東日本大震災以降に記されてきた「原発依存度を低減」という文言が削除されました。原発の建て替えや新設を認める方針も明らかになっています。
《詳細》
今回のエネルギー基本計画は、「2050年に温室効果ガスを排出ゼロにする目標」を達成するため、2040年度の電源構成の見通しを明記。今後、デジタル化や、エネルギーを多く消費する産業の電化によって電力需要が23年度比で1~2割増えるとの見通しを想定しました。
その結果、17日に公表された改定案では、「原発も再生エネルギー同様に推進する」との方向に舵を切り、「可能な限り依存度を低減する」という文言を削除。再稼動や運転延長を進めると同時に、廃炉にした敷地内で原子炉を建て替えることや、別の原発敷地に「建て替え」として新設を認める文言を初めて記載しています。
電源構成については、現在火力が約69%、再生可能エネルギーが約23%、原子力が8.5%ですが、2040年の目標として再エネが4~5割、原子力を2割、火力を3~4割としています。発電コストについては、2040年には火力発電よりも、原発のほうが低くなるという試算も記しています。
一方、推進を進めるとする再エネの発電コストについて、「天候により発電量が左右される」「火力などに比べてコストが高い」「発電量が十分でないときは火力など他の電源で補う必要があるため、その分のコストがかかる」などの理由から、2040年の時点では、原子力の2倍以上に高くなるケースがあり得ると指摘しました。
《どう見るか》