《ニュース》

北朝鮮がロシアと最近締結した「包括的戦略パートナーシップ条約」に基づき、ウクライナに工兵部隊を派遣すると、韓国メディアがこのほど報じました。早ければ7月にも、ロシアが制圧するウクライナ東部のドネツクに投入する予定です。

《詳細》

このニュースを韓国政府関係者の話として報じた朝鮮放送によると、北朝鮮の工兵部隊は「ウクライナの復興作業」に従事する予定だといいます。これについて米戦争研究所(ISW)は、北朝鮮軍は地雷を撤去するなどの工兵旅団を10個運用しており、ウクライナに3~4個派遣すれば、ロシアから毎年最大で1億1500万ドルの外貨を獲得できると推定しています。北朝鮮軍が後方の一部をカバーすれば、ロシアはその分の戦力を前線に充てることができます。

米国務省のミラー報道官は26日の記者会見で、「我々は北朝鮮とロシアの増大する関係を深く懸念してきた」「ドネツクはウクライナの一部であり、ロシアの一部ではない」などと述べ、反対の意思を示しました。

これに先立ち、北朝鮮とロシアが前出の条約を締結したことを受け、韓国はウクライナに対し、殺傷兵器を供与しない方針を見直す可能性を表明していました。すかさず、ロシアのプーチン大統領が、韓国が方針転換すれば、報復措置をとると牽制。この最中に、北朝鮮が武器・弾薬の供与に加えて、軍隊も派遣するとなれば、ウクライナ戦争だけではなく、極東アジアの軍事バランスにも影響が生じるでしょう。

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