2022年3月号記事

幸福実現党 党首

釈量子の志士奮迅

第112回

釈党首

幸福実現党 党首

釈 量子

(しゃく・りょうこ) 1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒。大手企業勤務を経て、幸福の科学に入局。本誌編集部、常務理事などを歴任。2013年7月から現職。
釈量子のブログはこちらでご覧になれます。
https://shaku-ryoko.net/

信仰なくして正義は立たない
「習近平思想」を打ち返す!

北京冬季五輪の開幕を2月4日に控える中、中国による台湾侵攻の可能性は日増しに現実味を帯びています。昨年3月、米議会で前インド太平洋軍司令官が「6年以内に台湾侵攻の可能性がある」と衝撃の発言をしましたが、米議会超党派による「米中経済・安全保障調査委員会」が同11月に発表した年次報告書も息を呑む内容です。中国軍が「台湾侵攻に必要とされる軍事力を備えつつある」と評した上で、台湾侵攻で想定されるシナリオを具体的に明記しているのです。

第一は「在日米軍への先制攻撃」です。米軍の反撃能力を抑え込み、時間稼ぎすれば、台湾上陸が有利に進むからです。

第二段階は「台湾への先制攻撃」です。空と海の支配権を握るため、情報通信網を破壊するサイバー攻撃や、軍司令部および軍事基地に大量のミサイルを降り注がせることが想定されます。

その次が「台湾上陸」です。報告書では、中国は海上や空路の輸送で総計2万8千人の兵士を投入できるなどと分析しています。

断じて見たくない地獄絵図です。昨年11月には、中国の揚陸艦が沖縄の与那国島と台湾海域を通過し、上陸作戦の演習を実施。台湾当局関係者が「中国軍は最近、日本の南西諸島を攻撃目標の選択肢に加えた」と指摘したとも報じられました(*)。中国が台湾侵攻と同時に尖閣奪取に動く可能性もあります。「台湾有事は日本有事」なのです。

(*)南西諸島は九州南端から台湾北東端まで連なる島嶼群。日本領土の大隅諸島・吐噶喇列島・奄美諸島・沖縄諸島・先島諸島を含む。報道は2021年11月25日付産経新聞。

生き延びようとする意志のない国民国家は滅びる

緊迫するアジア情勢から日本国内に目を転じると、この危機迫る現状を認識しているのかと疑いたくなる状況です。

年始には日中韓を含む地域的な包括的経済連携(RCEP)が発効し、「世界最大級の経済圏だ」と期待の声が上がっています。

しかしこれは"中華経済圏"に入るようなものです。1月17日の施政方針演説で岸田首相は、中国には「主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めていく」とする一方で、日中国交正常化50周年を今秋迎えることに触れ「建設的かつ安定的な関係の構築を目指す」と述べました。「経済的利益さえ出ればいい」と考え、中国経済圏で儲けながら、軍事的にはアメリカに護ってもらう「二股外交」がもはや通用しないことに気づいていません。

危機の時代に生き延びようとする意志のない国民・国家は滅びます。日本は中国の軍門に下るのか、自由主義陣営として共同防衛に舵を切るのか、決断のタイムリミットが近づいています。

「自由・民主・信仰」を基本原則とした政治の実現を

なぜ日本の政治が、ウイグルや香港でナチス同様の弾圧が行われても、鵺のように曖昧な態度でいられるのか。それは「思想」で負けているからにほかなりません。自由と民主だけでは足りないのです。信仰なくして正義は打ち立てられず、神無き民主主義はただの多数決です。

これは戦後の占領政策以降、「政教分離」の名の下、政治と教育から宗教を遠ざけたことが原因です。仏神の眼を意識しなければ、正義は忘れ去られ、商売のために魂を売るようなこともできてしまいます。そのような精神であれば、中国に「台湾は中国の内政問題だ。手を出したら核を落とす」と恫喝されれば、いとも簡単に白旗を上げてしまうことでしょう。

大川隆法党総裁は1月9日の法話「『メシアの法』講義」で、バイデン米大統領の掲げる「民主主義国家対専制国家」では不十分として、「『神仏への信仰心を持っている国家』対『無神論・唯物論国家』という対立であれば、勝てる可能性がある」と指摘されました。

幸福実現党が掲げる「自由・民主・信仰」を基本原則とした政治の実現は、「日本のみならず全世界のすべての人が幸福であり続ける」未来を切り開くことができる、究極のビジョンです。

日本はロシアを中国側に追いやる愚に気づき、プーチン大統領の信仰心に訴え、神の秩序の実現を呼びかけるべきです。そして日本が台湾と断交して50年、私たちの良き友人であり、兄弟でもある台湾を、二度と見捨てることなく守りたい。こんな私たちの激烈な思いを台湾に、国際社会にしっかりと届け、習近平思想を世界に輸出し、世界を一元管理しようとする中国に、世界の国々は徹底抗戦すべきです。

宇宙的・全世界的仏法真理を原点に持つ唯一無二の政党として、「価値観の戦い」を続けてまいります。

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2021年7月、カナダ・オタワで行われた北京五輪のボイコットを呼びかけるデモ。画像:Wirestock Creators / Shutterstock.com