香港の民主主義を守るデモが、香港政府に「中国化」を思いとどまらせている。
数十年後、今という時代は、人々に時代の大きな転換点として記憶されているだろう。「彼」がそうであるように──。
台湾の李登輝元総統の心の軌跡に迫る映画「哲人王 ~李登輝対話篇~」(園田映人監督)が21日から27日まで東京の ヒューマントラスト渋谷 、28日から7月4日まで大阪の シネ・リーブル梅田 で公開される(各映画館サイトから、チケットの予約・購入が可能)。
21日の東京・渋谷では、1回目の上映後と2回目の上映前に、園田監督による舞台挨拶が行われる。
映画は、台湾の民主国家実現の原動力となった李登輝氏の精神の成長過程を、ドラマ、アニメーションを駆使して描写するトランスドキュメンタリー。生きる意味を見失いかけた女子大生マリアと精神の哲学対話が進む中で、李登輝氏の心の秘密が明らかになっていく。
同映画は、昨年9月、スイス・ジュネーブで開かれた国連人権理事会で短縮版が上映され、鑑賞したNGO代表や政府系職員に大きなインパクトを与えた。
同11月にも、アメリカのロスアンゼルスやニューヨークで劇場公開。大手誌にも批評されて評判となり、第91回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門の正式審査作品となった。
今年9月には、沖縄での上映が決まっており、秋以降、台湾での劇場公開も予定している。
香港、台湾、日本の人々の心を揺さぶる
1996年、台湾の総統選は、史上初めて有権者が直接総統を選ぶ「民選選挙」として行われた。
だが投票前に、台湾の民主化を阻止したい中国が「李登輝を選ぶことは、中国との戦争を意味する」というメッセージを込め、台湾近海に軍艦を派遣し、短距離弾道ミサイルを打ち込んで威嚇した。
しかし、台湾市民はこの脅しに屈せず、「台湾の民主化の実現」を目指した李登輝氏を総統に選ぶ──。
翻って現代の香港では、数百万の市民が「行動」や「言論」によって中国の軍事的脅威をはね返そうとしている。もちろん、中国の脅威は、台湾や沖縄を中心とした日本にも迫っている。
なぜ李登輝氏は台湾の民主化に命を懸けたのか。映画に描かれたその答えは、現代の香港、台湾、そして日本の多くの人々の心を揺さぶるだろう。
【関連サイト】
映画『哲人王~李登輝対話篇~』公式サイト
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2018年6月27日付本欄 台湾の李登輝元総統が中国の覇権主義に警鐘 「中国にとって最大の敵は自由」