写真:ピクスタ
2019年7月号記事
虐待死をなくす4つの方法
児童虐待から「親子」を救う
虐待によって多くの子供の命が失われている。昨年度は77人に上った。
どうすれば子供を救えるのだろうか。
(編集部 駒井春香、山本泉)
児童相談所は「親」のための機関
虐待件数は年々増加している
虐待された子供の保護施設は、どこもいっぱい
「親の虐待で幼い命が奪われる」という、痛ましい事件が後を絶たない。
今年1月、千葉県野田市で小学4年の栗原心愛ちゃん(当時10歳)が、父親による虐待で亡くなったニュースは、社会に衝撃を与えた。
心愛ちゃんは3日間、食事も睡眠も与えられず、暴行を受けてショック死。日常的に暴力を振るわれ、下着を下ろされるなど性的虐待も受けていた。
心愛ちゃんが在学していた小学校近くの公園に、娘と遊びに来ていた40代女性はこう語る。
「子供たちはショックを受けていました。私の娘は心愛ちゃんと同じ年。市内の別の小学校に通っていますが、小学校から何の説明もありませんでした。あえて公にしなかったのでしょうか。心が痛みますし、虐待することは理解できません」
心愛ちゃんを一時保護した千葉県の柏児童相談所は、父親による暴力や性的虐待の疑いを認識していた。だが、父親は一貫して虐待を否定。心愛ちゃんも落ち着きを取り戻したため、「重篤な虐待でない」と判断し、自宅に戻した。その後、児童相談所(以下、児相)も小学校も、家庭訪問を一度もしなかったという。
昨年3月には、香川県から東京都目黒区に引っ越してきた船戸結愛ちゃん(当時5歳)が養父に激しく殴られ、命を落とす事件が起きている。「モデル体形にする」と食事を制限されていたため、死亡時の体重は2歳児並みの約12キロだった。
香川児相から引き継ぎを受けた品川児相は、虐待の危険性を把握していたが、親との関係構築を優先し、すぐに立ち入り調査を行っていない。
千葉でも東京でも、児相が危険性を把握していながら、子供たちの命を救えなかった。なぜこのようなことが繰り返されるのだろうか。
現在の児童相談所では虐待を止められない!?
子ども支援センターつなっぐ代表理事 田上幸治氏 インタビュー
幸福の科学 對中講師に聞く「親との関係を振り返る」
体験談「虐待を乗り越えて母の愛に気づきました」