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2019年5月号記事

国造りプロジェクト Vol.06

「平成後」の大戦略

「失われた30年」を逆転する

5月の改元をもって、平成の幕が閉じる。

次の時代を繁栄させるには、何が必要か。

「失われた30年」の失敗から学び、これからの約30年に向けた発展ビジョンを示したい。

(編集部 山本慧、長華子、山本泉、片岡眞有子)


contents


2「中国の時代」を終わらせる

世界の脅威となっている中国の拡張主義。

これを食い止めるにはどうすればいいのだろうか。

平成は、中国が急成長を遂げた「中国の時代」だった。

中国は約20年にわたり、経済成長率10%前後の高度成長期に入り、2010年には日本を追い越し、GDP世界第2位となった。国防費も毎年増大させている。19年の国防費は約1兆1900億元(約20兆円)となり、日本の防衛予算の約3.8倍になる見通しだ(左図)。

中国は年間約1億人の観光客を世界に送り出す。「中国がくしゃみをすると、世界は風邪を引く」と言われるほどに中国の影響力は拡大した。

次ページからのポイント

中国が急成長した3つの理由

対中戦略 1 「金融戦争」で中国を追い詰める

Interview 貿易戦争はバブル崩壊を加速させる 田村秀男氏

対中戦略2 中国を逆包囲するインド太平洋戦略

対中戦略3 「ジャパン・ファースト」でGDP2位奪還