2018年11月号記事
地域シリーズ
群馬 VS. 茨城
東京を動かす陰の支配者!?
あなたはまだグンマもイバラキも知らない
「都道府県魅力度ランキング」で、5年連続最下位の北関東の茨城。
ここと下位を争ってきたのが、同じ北関東の群馬だ。
だが、両県の「真の実力」を知る者は少ない。
(編集部 片岡眞有子)
「群馬には山しかない」
「茨城はヤンキーが多い」
最近、都道府県を比較・紹介するテレビ番組やインターネット上では、こうした話題が面白おかしく取り上げられている。
確かに、群馬、茨城の両県は、都道府県魅力度ランキングなどネガティブな文脈で話題にされがちだ。人生の大半を西日本で過ごしてきた筆者も、最近まで、名湯・草津温泉が群馬にあることを知らず、茨城の正しい読み方が「いばらき」であることを知らなかったことを告白する。
首都圏を"牛耳る"群馬と茨城
8月のある日、当編集部に、群馬に住む読者から「うちの県を取り上げてほしい」という電話が入った。時を同じくして、茨城の読者からも同様の電話があった。聞けば、昨年発売された『茨城vs.群馬 北関東死闘編』(講談社)という本に触発されたというのだ。
これをきっかけに調べてみると、両県は貴重な歴史や文化にあふれ、実は首都・東京をも動かす"陰の支配者"であることが次第に分かってきた。
例えば、神奈川を除く関東6都県に水を供給する利根川系の8カ所のダムは、いずれも群馬にある。「関東の水がめ・群馬」が機能しなくなれば、首都圏の数千万の人々は水を求めて彷徨うことになる。
また、東京都中央卸売市場において、野菜や果物など青果物取扱高が14年連続で日本一なのは、何を隠そう茨城だ。「首都圏の台所・茨城」が機能しなくなれば、やはり首都圏の人々は食料を求めて彷徨うことになる。
首都圏の人々ののどを潤し、胃袋を満たしているのは、群馬であり茨城なのだ。少なくとも、首都圏で生活する人々は、両県に足を向けて寝てはならない。
さあ、あなたの知らない群馬、茨城の魅力をご堪能あれ!
群馬:たくさんの水を首都圏に供給!
利根川系で最大規模を誇る矢木沢ダムが放水する様子。写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ tenjou / PIXTA(ピクスタ)
茨城:東京での青果物取扱高14年連続で日本一!
東京都内に11カ所ある東京都中央卸売市場の一つである、大田市場に並ぶ青果物。写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ jampan / PIXTA(ピクスタ)
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