2013年11月号記事
The Liberty Opinion 1
東京五輪決定で国運を占う
「亡国と衰退」の兆しか
「栄光と繁栄」の始まりか
2020年五輪招致IOC総会。東京の最後のプレゼンを務める滝川クリステル氏。
意外に安倍晋三首相は強運だ。2020年の東京オリンピック開催が決定した。
東京五輪はこれまで1960年と2016年の二度立候補して落選しているが、それぞれ鳩山一郎、鳩山由紀夫が首相だった。そして1964年と2020年に当選した時の首相が岸信介と安倍晋三だ。これは偶然の一致か。一国のリーダーに誰を選ぶかの重要性を改めて思い知る。「下山」だの「辺境」だの自虐的に言われてきた日本の未来に希望の光が見えた。
しかし、 五輪を開催するというだけで日本の繁栄が保証されるわけではない。 観光や建設などで特需が生じるのは東京が中心になるし、実需が生じるのも、もう少し先の話だ。国民の実感としては、消費増税の衝撃が先に襲ってくる。特定の地域に一過性の経済効果が生じるだけに終わらないよう、 全国へ波及させるための大胆な経済対策を同時に行う必要がある。
期待のリニアも、東京―名古屋間を開通させるのは、「とても間に合わない」(JR東海・山田佳臣社長)と言うが、せめて世界遺産に登録された富士山の観光を見込んで、山梨県駅まででも開通させたい。
安倍首相は、悲願の憲法改正を実現すべく長期政権を狙うのなら、五輪開催までの7年間のグランドビジョンを明確に描く必要があろう。