2026年6月号記事

アメリカ情報機関 元長官インタビュー

テスラ、アップル、米軍の極超音速技術……

中国共産党は盗んだ最先端技術で他国を脅かしている

元米国防情報局長官代行で、『The Great Heist(大窃盗)』(未邦訳)の共著者に、中国共産党スパイが知的財産を盗んでいる実態とその深刻さについて聞いた。

米国防情報局とは……
米国防情報局(DIA)は、中央情報局(CIA)と並ぶ主要な諜報機関で、国防総省直属で軍事問題を中心とする諜報活動を行う。

元米国防情報局長官代行

デイビッド・シェッド

デイビッド・シェッド
(David Shedd)米中央情報局内外で約33年間、多岐にわたる役職を歴任した。国家情報長官の首席補佐官、国家安全保障会議の上級ディレクター、ジョージ・W・ブッシュ政権下では大統領特別補佐官(情報担当)も務めた。近著に『The Great Heist(大窃盗)』(未邦訳、ハーパー社)がある。

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シェッド氏(以下、): 中国(*1)による米国の機密の窃盗について語る機会をいただき感謝します。

米国で起きたことの多くは、日本や他の西洋諸国でも起きており、現在も続いています。人類史上類を見ない、米国や西洋諸国から中国への「不正な富の移転」です。

これは習近平政権下で始まっただけではなく、本当は数十年前に始まっていました。

振り返ると、1984年6月、中国共産党の指導者・トウ小平が演説で、中国共産党の一党独裁体制と管理資本主義の共存について語り、統制した形で資本主義への道を開くことを明らかにしました。

5年後の89年6月、自由を求める人々を弾圧する天安門事件が発生。90年代、中国は他国の商標登録の機密を盗み始めました。つまり、許可なく日本や米国製品を複製するといった低技術な海賊行為が横行し始めたのです。

そうした中、中国は西側諸国の支援を得て、2001年12月に世界貿易機関(WTO)加盟を果たしました。これが次の25年にわたる知的財産移転の幕開けとなりました。

(*1)ここで言う中国は、14億人の国民のうち約8~9000万人の党員を擁する中国共産党を指す。
 

 

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富を盗まなければ中国はここまで成長していない

重要機密の極超音速技術も盗まれる

Column シェッド氏の信仰観