2025年4月号記事
トランプが描くゴールデン・エイジ
米中宇宙戦争の最前線
世界の脅威は、宇宙からやって来る時代に突入した。
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トランプが描くゴールデン・エイジ 米中宇宙戦争の最前線 - Part 1
「アメリカは再び、自らを成長国家とみなすだろう」「我々は星を目指す明白な運命を追求し、星条旗を火星に立てるため、アメリカ人宇宙飛行士を送り込む」
トランプ米大統領は1月の就任演説で、19世紀に白人がフロンティアを目指して移住した西部開拓時代と重ねて、「アメリカの黄金時代(ゴールデン・エイジ)が今始まる」と高らかに宣言した。
トランプ氏は昨年の大統領選で「ゴールデン・エイジ」を連呼し、新時代への突入を全米に予感させた。政府効率化省トップのイーロン・マスク氏も、「アメリカの宇宙飛行士が初めて他の惑星に国旗を立てたらどんなに素晴らしいか想像できますか? (中略)私たちはゴールデン・エイジを迎えるでしょう」と興奮した様子でスピーチし、冒頭の言葉を聴いて親指を立てて喜んだ(*1)。
(*1)マスク氏は自動車など6つの事業に携わっているが、すべては「地球が危機に瀕した際の火星への入植」のためだ。約60兆円に上る資産についても、「火星に自律的な都市を建設するには莫大な資源が必要になる」と語っている。
トランプ氏とマスク氏の夢は「火星への入植」
人類が最後に月に降り立ったのは、1972年、アメリカの「アポロ17号」である。この計画が中断して以降、「人類の科学技術のイノベーションは停滞している」と一部では問題視されてきた。
トランプ第一次政権は、縮み志向だった宇宙政策を劇的に変え(規制緩和など)、その流れで、マスク氏率いる航空宇宙メーカー「スペースX」も急成長を遂げる。
特に評価が高いのが、約50年ぶりに人類を月に送る「アルテミス計画」を始動させたことだ。52カ国が参加し、日本人も月に行く予定であるなど、西側諸国の総力を結集。トランプ氏はバイデン前政権下で遅れた計画を早め、火星への入植を急ぐ構えだ。
トランプ氏とマスク氏は「火星に行く夢」でつながっており、宇宙を開拓する新時代を「ゴールデン・エイジ」と呼んでいると見ていい。
※文中や注の特に断りのない『 』は、いずれも大川隆法著、幸福の科学出版刊。

(出所:SNSのX「Ken Kirtland IV」より)
トランプ改革を機に、アメリカのロケット打ち上げが加速した
トランプ第一次政権はNASA(航空宇宙局)の官僚主義を改革し、規制緩和で民間の宇宙ビジネスを活性化。安いロケットの製造に成功したマスク氏率いるスペースXは、その流れに乗って急成長する。いずれかが欠けていれば、中国は圧勝していただろう。
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