2025年3月号記事
ニッポンの新常識
軍事学入門 56
中国のスパイはハニトラをこうやる(後編)
世界の流れを正しく理解するための、「教養としての軍事学」をお届けする。

元公安捜査員
勝丸 円覚
(かつまる・えんかく)1990年代半ばに警視庁に入庁し、公安に配属されてからは公安・外事畑(外国のスパイ摘発担当)を歩んだ。現在はセキュリティコンサルタントとして活躍。著書に『中国人スパイ「秘密工作」最前線』(ビジネス社)、『公安外事警察の正体』(中央公論新社)など。
中国のスパイは、まるでマニュアルが存在するかのように、世界で標準化されている印象があります。私が欧米の情報機関とコンタクトを取っていると、「あなたの国でもやっているのか」と答え合わせができる時があります。
そのように公安でスパイ対策に従事していた私は現在、その経験を生かして、企業にコンサルティングを行っています。その中で助言している一つが、中国お得意のハニートラップへの対策です。近年のハニトラは、「肉体関係がない」ものが出て来たと注意喚起しています。