自民党の一部議員は、自衛隊が保有する「多連装ロケットシステム」をウクライナに供与すべきと主張している(画像:Mike Mareen / Shutterstock.com)。
《ニュース》
自民党と公明党が、防衛装備品の輸出ルールを定めた「防衛装備移転三原則」をめぐり、「殺傷能力のある装備品」の輸出解禁などを協議しています。
《詳細》
装備移転に関する与党ワーキングチームの会合が25日に開かれ、防衛装備品の輸出の拡大などに向け、どのような見直しが必要であるかの一定の結論を、今夏を目途に出す方針です。
方針の見直しを念頭に置くのが、ウクライナ情勢です。日本はG7(先進7カ国)で唯一、殺傷能力のある装備品を提供していません。紛争当事国への提供を禁じる現行のルールを変え、「国際法違反の侵攻を受けた国」であれば、殺傷能力のある装備品を供与してもよい、という案を検討する見込みです。
自民党の小野寺座長は、「防衛装備移転について具体的な方向性を出せるように、このワーキングチームで議論させて頂ければと思っております」と語り、公明党の佐藤座長代理は、「大事なのは戦後の平和国家としての歩みを堅持しつつ、望ましい安全保障環境をどう創出していくかだ」と述べました。
ウクライナは昨年、対戦車ミサイルや弾薬の提供を日本に求めましたが、日本政府はそれを見送り、ヘルメットや防弾チョッキなどを提供しました。ヘルメットなどは殺傷能力がないため、"送っても問題はない"と判断しましたが、本誌5月号で指摘したように、「交戦中の片方に武器を供与して軍事支援するのは明白な『憲法9条違反』と考えるのが妥当」です(本誌5月号「このままでは日本は危ない 目を覚ませ! 日本外交」)。よって、装備品に殺傷性があるか否かはメインの論点になり得ません。
《どう見るか》







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