2022年3月号記事

ニッポンの新常識 軍事学入門 20

緊迫の台湾海峡、台湾は離島をどう守るか

社会の流れを正しく理解するための、「教養としての軍事学」について専門家のリレーインタビューをお届けする。

元台湾陸軍少将

張 俊達

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(ヂャン・ジュンダー)中華民国陸軍軍官学校正期班58期、国防大学戦争学院正規班97年班、陸軍機械化歩兵第234旅少将旅長、陸軍東引地区指揮部少将指揮官、南部地区総合測考中心少将指揮官などを歴任した。

中国の台湾侵攻の基本的な戦略は、「遠戦速勝、首戦決勝(遠い戦場で戦い、ただちに勝利を収め、初戦で勝敗を決する)」です。具体的に言えば、国際社会(主にアメリカとその同盟国)が台湾有事に介入する前に、中国が台湾を"統一"するという考えです。

特に中国が台湾の離島に侵攻する場合、台湾本島を攻めた後に離島を狙う。または離島を占領し、それを交渉材料にして台湾政府を降伏させることが想定されます。中国の台湾侵攻は5つの段階に分かれるでしょう。

(1)軍事演習を名目にして、海・空軍を台湾周辺に集結させる。

(2)それと連動して、中国の漁船がその付近に大挙し、台湾の治安当局と衝突を起こす。

(3)人民解放軍は民間人が攻撃されたことを大義名分にして、台湾に一気に侵攻する。

(4)離島では、中国のスパイがレーダー基地などを破壊。火砲やミサイルなどで、島を守る台湾の守備隊を排除する。

(5)海上輸送された中国の部隊が島に上陸すると同時に、ヘリコプターからも特殊部隊が降下。飛行場や港などを占拠し、中国の基地に変える。