《ニュース》

政府はこのほど、「エネルギー基本計画」を閣議決定しました。同計画は国の中長期的なエネルギー政策の方向性を示すもの。菅前政権が国際公約した「温室効果ガス排出量を2030年度までに46%削減」に向けての"根拠"が示された形です。

《詳細》

同計画で示された令和12年度(2030年度)の電源構成比目標は、以下のようになりました。

  • 再エネ 18.1%(*)→36~38%
  • 原子力 6.2%→20~22%
  • 火力 75.7%→41%
(*)2019年度数値。


太陽光など再生可能エネルギーについては、「主力電源」として最大限の導入に取り組むと記載されました。ただ、風力や太陽光発電を増設する余地が限られており、国民負担も大幅に増えることから、現実性を懸念する声が出ています。

原子力についても問題が指摘されています。

まず目標値達成のためには、9年以内に追加で17基の原発再稼働が必要になります。しかし福島第一原発事故以降、ここ10年で再稼働した原発は10基にとどまります。今後、政府は世論や原子力規制委員会を可及的速やかに説得し、再稼働を加速させる必要があります。ですが基本計画には、「依存度を可能な限り低減する」とも書かれており、政府にその覚悟があるのかは甚だ疑問です。

また今回の基本計画では、原発の新増設や建て替えについては盛り込まれませんでした。このままいくと多くの原発が運転期間の寿命を超え、2050年にはたった数基になるとの試算もあります。そうなると、日本の長期的な電源構成比が自ずと限られてくることになりますが、世論の反発を避け、計画では「記載なし」となりました。

《どう見るか》