《ニュース》

中国が、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の地下格納庫とみられる大規模施設の建設を進めていることが明らかになりました。米核専門家のジェフリー・ルイス氏らが衛星写真を分析し、米ワシントン・ポスト紙が1日、初めて報じました。

《詳細》

建設が確認されたのは、中国内陸部の甘粛(かんしゅく)省に広がる砂漠地帯です。

ルイス氏の調査によると、119カ所でミサイル用の地下格納庫とみられる施設の建設が進められているとのこと。この中には「おとり用」の格納庫が含まれている可能性があるものの、米本土のほぼ全域を射程に収める多弾頭型ICBM「東風41」の発射用に用いられるとみられており、アメリカにとって重大な脅威となります。

ルイス氏はCNNの取材に対し、施設は今なお建設途中であるとした上で、工事の大半が過去6カ月の間に行われた可能性が高く、「衝撃的な建設ペースだ」と指摘しました。

中国は少なくとも350発の核弾頭を保有していると推定されています。世界の覇権を握りたい中国が、さらなる核戦力強化に向け、総力をあげて取り組んでいる様子がうかがえます。

一連の調査結果を受け、米国務省のプライス報道官は1日の記者会見で、中国の核戦力増強が予想以上に早いことに対して懸念を表明しています。

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