東京都秋葉原で最後の選挙挨拶を行った安倍首相。

2017年12月号記事

ニュースのミカタ 1

政治

自公大勝の負の遺産

「国民の義務」が日本を救う!?

このほど行われた衆院選は、まさかの連続でした。民進党は、希望の党合流組と立憲民主党に分裂するなど、野党の足並みが揃わず、終わってみれば与党が3分の2を超える議席を獲得し、圧勝しました。

しかし、保守を自認する自民党が、教育無償化などの左翼的政策を掲げて勝利したことには、後味の悪い印象が残ります。日本の伝統や精神を守る立場が保守だとするならば、現在の国会に保守政党は不在と言えます。

これは、国民の側にも問題があるでしょう。現在、 国民の義務を脇に置いて、行政サービスをより多く引き出した者が"勝ち"であるかのような風潮が広がりつつあります。

憲法が「教育の義務(26条)」「勤労の義務(27条)」「納税の義務(30条)」という国民の三大義務を定めているように、国家は国民の自助によって支えられています。その基本原則が形骸化する危機に直面しているのです。