コロナ不況で「地銀9割消滅」は加速するか 緊急融資で不良債権が増えるリスク

コロナ不況で「地銀9割消滅」は加速するか 緊急融資で不良債権が増えるリスク

 

《本記事のポイント》

  • 地方銀行の業績悪化に拍車をかけるコロナ不況
  • 地銀は緊急融資を実行しているが、多額の不良債権を抱えるリスクもある
  • 緊急事態宣言を早期に解除し、地銀倒産を防げ

 

 

北陸銀行と北海道銀行を傘下に持つ「ほくほくフィナンシャルグループ」が12日、2020年3月期の決算を発表した。グループの純利益は減益となり、前期比で17%減の202億円となった。

 

新型コロナウィルスの感染拡大により、取引先の業績が悪化している。同社では、融資先の経営悪化に備える「与信費用」が前期の28億円から92億円に急増。さらに株式市場の世界的な混乱により、「その他有価証券」の評価損益も前期の647億円から329億円に減った。

 

目下の地方銀行は、政府や自治体から要請される緊急融資の支援で注目を集めている。地銀は、中小・零細企業への運転資金などを提供し、経済を下支えする大きな役割を担っている。

 

しかしその一方で、融資を拡大しても、儲けとなる利ざや(預金と融資の金利差)が極めて低かったり、将来の不良債権を生んだりする側面もある。

 

 

政府が地銀再編を一気に進める可能性も

地銀を取り巻く経営環境は、コロナ不況によっていっそう悪化することが予想される。北陸銀の庵栄伸(いほり・えいしん)頭取が決算を発表した会見で「金融は影響が後から来る」と語ったように、金融リスクが表面化するには時間がかかる。

 

コロナ禍が直撃する以前までは、地銀全105行のうち、46行が赤字に陥っていた(2019年3月期決算)。特に27行については、5期以上の連続赤字という異常事態だった。そのため各行は、本業の利ざやを稼ぐだけでなく、株式売却益などで業績を伸ばしてきた。だが、緊急融資で多額の不良債権を抱えるとなれば、経営危機に直結しかねない。

 

銀行サイドには、「政府が言ったように緊急融資を実行したのだから、後で生じた損失を補てんしてほしい」という期待もあるだろう。しかし、銀行救済が多数に及ぶ場合、政府は一気に再編を加速させ、金融機関の数を大幅に減らすことが考えられる。

 

 

緊急事態宣言を早期に解除し、地銀倒産を防げ

本誌2020年3号では、中国経済のバブル崩壊により、「地銀が9割消滅する可能性」を指摘した。それが、中国発の新型コロナウィルスの蔓延に伴う不況によって、にわかに現実味を帯びているわけだ。

 

現在、日本政府が発した緊急事態宣言が、いつ全面解除されるかが焦点となっている。しかし、解除後に展開される経済をどう活性化させるかなど、政府には考える余裕もないだろう。

 

緊急融資の返済は、来年の2021年から本格化する。そんなに先の話ではない。不良債権をこれ以上増やさず、金融リスクを最小限にとどめ、地銀の倒産を防ぐには、先の宣言を早期に解除し、経済活動を正常に戻すことだ。

(山本慧)

 

【関連書籍】

『P.F.ドラッカー「未来社会の指針を語る」』

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大川隆法著 幸福の科学出版

 

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タグ: 地方銀行  倒産  融資  不良債権  緊急事態宣言  新型コロナウィルス  不況  

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