リベラルメディアが追い詰めるバイデンファミリー汚職 大企業のLGBTQ+啓発運動でボイコット、株価急落も【─The Liberty─ワシントン・レポート】
2023.06.05
ついに、保守メディアだけでなく、リベラルメディアも、「バイデンファミリーのスキャンダル」を追及し始めた。
徴税機関である内国歳入庁(IRS)の内部告発者は5月25日、リベラル系主要メディアであるCBSニュースに出演し、「司法省が故意にハンター・バイデン氏に関する税務調査を遅らせていた」ことを公の場で初めて明言した。
告発したのは、IRSに14年間勤務したベテランのゲイリー・シェイプリー氏。同氏は番組で「司法省の指示により、遅々として進まなかった、あるいは全く行われなかった複数のステップがあった」「私がこの調査を担当した時、すぐに通常のプロセスから逸脱していることが分かった。過去に経験したことの常識から大きく外れていた」などと述べた。
この税務調査は、バイデン大統領の次男であるハンター氏が海外との取引で得た数百万ドルに対する納税を怠った疑いが対象となっており、現在も進行中だ。
このニュースについては、同じくリベラル系メディアのCNNも報じている。トランプ前大統領が5月10日のCNN主催の対話集会に1時間以上生出演した際に司会を務めたケイトラン・コリンズ氏が、朝8時のニュースで、司法省がハンター氏への捜査の手を緩めたことについて追及した。
ちなみにコリンズ氏は、先述の集会でトランプ氏と対決した時、トランプ氏に大いに発言を許したためにリベラル派から非難が集中したが、CEOの方針により、社内で昇進。夜9時のプライムタイムの司会者に抜擢されている。
また、ハンター氏のみならずバイデン大統領自身も、自らの地位を利用して、息子が主導する汚職に関与した疑いが議会で追及されている。
5月初めに連邦捜査局(FBI)の内部告発者が、バイデン氏が副大統領時代に外国との贈収賄スキーム(計画)に関わった疑いがあることを示す文書(FD-1023)の存在を共和党に提供し、共和党のジェームズ・コマー下院監視委員長とチャック・グラスリー上院議員が、FBI長官にその文書の提出を要請したが、FBI長官が提出を拒否したため、逆にその存在が明らかになった。現在、共和党のマッカーシー下院議長も加わって、FBIと司法省に提出を強く求め、提出しない場合は、議会侮辱罪に問うことを宣言している。
リベラル系メディアも、バイデン氏の積み重なる汚職疑惑を隠蔽し続けることが難しくなってきたと見ているようであり、大統領選への影響も大いにあるだろう。
「敵と戦うトランプの姿勢」に共鳴する共和党支持者
一方で、トランプ氏をめぐる報道にも変化が現れている。
例えば、これまでトランプ氏以外の大統領選の共和党立候補者や反トランプのエスタブリッシュメント系メディアなどは、トランプ氏が行う「ネガティブ・キャンペーン」(誹謗中傷も含めて対立候補を批判する選挙戦術)について批判してきた。
しかし、共和党支持者の多くは、アメリカの現状に対して危機感を持っており、楽観的な未来について語られるよりも、トランプ氏が、左派やワシントンの共和党組織内の敵(エスタブリッシュメント)と戦う姿勢の方に共鳴していると、議会専門紙「ザ・ヒル」(ややリベラル寄りの中道)などが指摘し始めているのだ。
実際トランプ氏は、3月末にニューヨーク州の大陪審に業務記録改ざんをめぐって"不当に起訴"され、それに対し「民主党による魔女狩りだ」などと訴えて以降、高支持率が続いている。ハーバード大学アメリカ政治研究センターとハリス・インサイト・アンド・アナリティクスが5月中旬に行った世論調査でも、共和党予備選においてトランプ氏が58%の支持率を占め、フロリダ州知事ロン・デサンティス氏の16%を大きく引き離している。
5月中~下旬に行われた他の主要な世論調査の全てで、トランプ氏は、2位のデサンティス氏を大幅に引き離して圧倒的な首位に立っている(CNN調査で27%差、米キニピアック大学調査で31%差、FOXニュース調査で33%差、米エマーソン大学調査で42%差)。
なお、5月30日発売の本誌7月号特集「トランプの真実」は、バイデンファミリーの汚職疑惑や全体主義的なトランプ氏の起訴、「議事堂襲撃事件」の真相などについて詳細に報じている。ぜひご一読いただきたい。
度を越したLGBTQ+運動
話題は一転するが、毎年6月は「プライド月間」と呼ばれ、アメリカ中でLGBTQ+の権利を啓発する運動が盛んになる。バイデン政権誕生以降、その運動が異様なほど過熱している。
ディズニーやスターバックス、アディダス、ディスカウントストアチェーン「ターゲット」、ビール会社「アンハイザー・ブッシュ」などの大手企業がLGBTQ+啓発運動に参加し、トランスジェンダーを啓発するPRや製品販売、店舗展開をしている。
アメリカの代表的スーパーの1つである「ターゲット」(アメリカ全土の店舗数は1954)は、5月中旬にトランスジェンダー向けの女性水着を販売。明らかに男性の身体をしたトランスジェンダーが女性水着を着てPRを大々的に行ったところ、保守系クリスチャンを中心に大きな反発が起きた。CEOが「社会にとって正しいことだ」などと弁明したり、エスタブリッシュメント系とつながりの深いAP通信やリベラルメディアが擁護したりしているが、ボイコットが増え、売り上げは大幅に減り、株価は暴落した(5月17日から26日の間に、株価14%下落、時価総額1.25兆円消失)。
ディスカウントストアチェーン「ターゲット」の2023年のプライドコレクション。虹色の服などが並んでいる(画像:melissamn / Shutterstock.com)。
しかもターゲットは、「悪魔信仰」を持っていると見られるトランスジェンダーのイギリス人デザイナー・アブプラレン氏を起用し、同氏が作ったサタン・グッズを売り出した(「サタンは、性の自己申告を尊重する」という趣旨の言葉が刻まれていた。保守派から批判を受け、現在は販売中止)。アブプラレン氏のウェブサイトには、ある商品の説明に「悪魔はあなたを愛し、あなたが誰であるかを尊重している。あなたはこの世界で重要で価値があり、愛と尊敬をもって自分を扱うに値する」などと記載されていた。また同氏は、悪魔信仰者の崇拝対象で、キリスト教では悪魔として知られる「(山羊の頭と人間の体を持つ)バフォメット」から着想を得て商品を開発したことも認めている。
また、ドイツ発のスポーツウェアメーカー「アディダス」も、南アフリカのデザイナーとコラボした「プライドコレクション」の女性用水着のPRに男性モデルを起用。元NCAA(全米大学体育協会)の水性選手ライリー・ゲインズ氏(女性)はFOXニュースの取材に、「とても皮肉なことだと思うのは、この男性のポーズだ。これらの写真を撮った角度は戦略的だった。あたかも彼らがこの男性の水着の膨らみを強調するために写真を撮ったかのように見えるのは確かだ」などと不快感を露わにし、強く非難している。
米ビール大手「アンハイザー・ブッシュ」も、4月初めから、主力商品「バドライト(Bud Light)」のPRで、トランスジェンダー女性のインフルエンサーであるディラン・マルベイニー氏とのコラボ企画を実施した。キャンペーン動画が配信されると、伝統的な顧客層である保守派は激しく憤り、バドライト不買運動を実施。バドライトやその他の商品の売り上げは軒並み落ちている(バドライトの4月23日~5月20日の4週間の売り上げは昨年比24.3%減。販売会社の株価は3月31日~5月30日までに18.4%下落し、時価総額3.5兆円が蒸発)。
2023年にお目見えしたレインボーカラーのバドライトの広告(画像: Michael Vi / Shutterstock.com)。
他にも、スターバックス・インドは5月中旬、「元々アルピットという名前だったトランスジェンダーの息子が女性の姿で両親の前に現れた。父親は苦々しい顔をしていたが、アルピタという女性の名前でコーヒーを注文してくれていて、父親が子供のアイデンティティを認めてくれたことが分かった」という内容の映像をツイッターに投稿した(下画像)。
画像はスターバックス・インドのツイッターよりキャプチャー。
映像はツイッターだけで930万回以上視聴された。米ワシントン・ポスト(5月20日付)は「これは世論を二分し、世界最大の民主主義におけるジェンダーと社会的受容の複雑さを浮き彫りにした」と指摘する。
こうした過熱したLGBTQ+啓発運動は、ビジネス的には環境左翼ビジネスと同様、「トランスジェンダー医療(性転換)」業界と深く結びついていると言われ、リベラル派の票田ともなっていることは、保守系ストラテジストなどから度々指摘される。「トランスジェンダリズム」とも呼ばれるこれらの啓発運動の結果、女性しか入れなかったはずの空間(女性用のシャワールーム、トイレ、刑務所の女性用部屋など)に、「自分は女性である」と主張(自認)する男性が入り込み、女性が襲われる事件が激増しているが、これらは主に保守系メディアでしか報道されない。
5月下旬の世論調査でも、アメリカの成人の71%は、「人間の性は男性と女性の2種類である」ことに賛同しており(6月1日発表ラスムセン調査)、上記のボイコット運動は、多くのアメリカ国民の怒りの表れだと言える。
(米ワシントン在住 N・S)
【関連書籍】
『ザ・リバティ』2023年7月号
幸福の科学出版
【関連記事】
2023年8月号 トランプの真実 - Part 1 あまりにもデタラメなトランプ起訴
https://the-liberty.com/article/20641/
2023年5月20日付本欄 トランプ前大統領の"ロシア疑惑"、FBIもグルとなった「根拠なき捜査」にメスが入れられる
https://the-liberty.com/article/20625/
2023年5月1日付本欄 出馬表明したバイデン大統領だが「トランプ再選を阻止できるのであれば、誰でもいい」? 【─The Liberty─ワシントン・レポート】
https://the-liberty.com/article/20594/
2023年4月3日付本欄 トランプ起訴に保守、リベラルとも衝撃走る ニューヨーク州マンハッタン地区検察は「一線を超えてしまった」 【─The Liberty─ワシントン・レポート】
「自由・民主・信仰」のために活躍する世界の識者への取材や、YouTube番組「未来編集」の配信を通じ、「自由の創設」のための報道を行っていきたいと考えています。
「ザ・リバティWeb」協賛金のご案内
YouTubeチャンネル「未来編集」最新動画